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回避性パーソナリティ障害とはどんな病気!?

人と関わることに恐怖や不安を感じ、人前でスピーチをしたり、食事をしたり、電話をしたりすること自体に困難を生じさせる障害が社交不安障害というものでした。

またその根底には他人に対して悪く思われるのではないか、相手に対して申し訳ないと感じてしまうというものがありました。

しかしこのような気持ちが根底にあるのは何も社交不安障害に限った話ではありません。

実はパーソナリティ障害のひとつである、回避性パーソナリティ障害もまた同様の気持ちがあると言われています。

今回、回避性パーソナリティ障害とは何か、どういう症状があるのか見ていこうと思います。

回避性パーソナリティ障害とは何か

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最新版の『精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)』によると、回避性パーソナリティ障害の診断基準として以下のような項目があります。

  • 批判、非難または拒絶に対する恐怖のために、対人接触のある職業的な活動を回避する
  • 相手から好かれていると確信できない限りは、人との関係を持ちたがらない
  • 恥をかかされている、または嘲笑されることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示す
  • 社会的な状況では批判される、または拒絶されることに心が囚われている
  • 不全感(自分自身に対する不十分な感覚)のために、新しい対人関係状況で抑制が起こる
  • 自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、または他の人よりも劣っていると思っている
  • 恥ずかしいことになるかもしれないということで、個人的な危険を冒すこと、または何か新しい活動にとりかかることに異常なほどの引っ込み思案である

すなわち、失敗して恥をかいたり傷ついたり、その恥に対する恐れが強すぎるあまり、人との関わりや新しい活動を避けてしまうということです。

また自分に自信がないために、失敗するぐらいなら初めから挑戦しない方が良い、失敗したら立ち直ることは難しいからという気持ちになってしまうのが回避性パーソナリティ障害の特徴でもあります。

しかし回避性パーソナリティの人は何も好き好んで人との関わりを避けているわけではなく、本心では人との触れ合いを好意的に捉えている面があります。

ところが当事者の心の中では非常に強い葛藤があるため、一種のジレンマに陥ってしまい、結果的に回避行動が表に表れてしまうのです。

回避性パーソナリティ障害の主な原因

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回避性パーソナリティ障害になってしまう原因はいくつか考えられます。もともと性格因子として、将来のものごとに対する心配や不安に敏感で、それに沿った行動を取るようなタイプだと回避性が強く表れるので、どうしてもなりやすくなります。

しかしそれだけが全てではありません。

もともとそういう性格因子がありながら、心をえぐるような強烈なトラウマ体験をしたことでなってしまう場合もあります。

例えば、いじめや家庭内暴力など自分の居場所を感じられない誰も信じられないような経験があると、それは回避行動を取るプロセスとして十分な根拠になりうるでしょう。

学校時代に同級生から傷つけられた、しかし周りの人が誰ひとりして助けてくれない、あるいは「いじめられるのは自分が弱いせいだ」と一方的な決めつけで対応を受けるなど、こういった体験が長期的に続いてしまうと、いくら人との関わりを求めても不安や恐怖が勝ってしまうのです。

また周囲の期待を一身に受けて何が何でも失敗してはいけない、成功を義務付けられた育ってきた場合も、これもまたひとつのトラウマとして考えられます。

回避性パーソナリティ障害を持つ人には、何も相対的に能力が劣っているということではありません。もともと頑張り屋さんで期待に応えようと努力した結果、人との関わり避けてしまうこともあり、本当は素晴らしい力を持っているのです。

しかし残念なことに、それを発揮できる場所もなければ、自分からそういう能力を見せる機会もないために、自分は社会的に必要とされていない人間であり、長所もないと自分が勝手に認識してしまうのです。

回避行動が慢性化してしまうと無気力の温床になってしまい、その状態から抜け出せないまま何年も苦しむ人も出てきます。もちろん、ひきこもりの背景に回避性パーソナリティ障害が絡んでいることも専門家の間で認知されてきています。

回避性パーソナリティ障害を持つ人への接し方

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回避性パーソナリティ障害の根底には、人を信じきれない気持ちがあります。この人を信じて本当にいいのだろうか、安心できる相手なのか、当事者は人との関わりに手探り状態で接するため、周りの人から自信がなさそうに見えたり、あるいは挙動不審に映るかもしれません。

だからこそ周りにいる人は、本人の気持ちに素直に耳を傾けてほしいと思います。また接する際には、否定的な態度や言葉を使わずに、本人の長所となる部分を本人自身で気づけるように諭してくれると助かります。

ただ距離感というのは重要で、可哀想だからと守りすぎてしまうとますます回避行動が長引いてしまいます。本人の人生の責任は本人にあります。だからこそ何かにチャレンジしたり、一歩踏み出そうとしていたりする時には、あくまでも後押しで守りすぎないようにすることが大切です。

社交不安障害のように人に対して恐怖を感じてしまう回避性パーソナリティ障害ですが、その特徴として、対人関係においてとても敏感で傷つきやすく、とりわけ否定的な言葉や拒絶するような態度に過剰に反応してしまうというのが見受けられます。

また、この回避性パーソナリティ障害が原因で本当は能力や才能があるのにも関わらず、対人接触や交渉ごとを求められるからといって仕事を回避したり、本心では人と親密な関係になりたいけれど、相手の冗談めいた些細な言葉でも傷ついてしまうからといって最初から諦めてしまったり、いつまで経っても自分に自信が持てない人生になってしまい、また生きづらさを感じている人もいます。

心をえぐるようなトラウマ体験から、人から笑われるのではないか、恥をかくのではないかという思いから過剰なまでに対人関係を避ける一方で、他の人と仲良くなりたい、親密な間柄になりたいという気持ちもあり、2つの矛盾する考えが交錯するのも、この回避性パーソナリティ障害の深刻さを物語っています。

人と関わることに辛さを覚えてしまうと、それこそ生きることをやめてしまう人も出てきてしまいます。しかし人と関わることにほんの少しでも喜びや楽しさを感じられるようになると、それはそれで生きる糧に繋がっていきます。

回避性パーソナリティ障害の人は自分ひとりで事を解決しようとするあまり悪循環から抜け出せないケースが見受けられるので、少しずつ理解してくれる人を増やして、今置かれている状況に変化を起こしていくことを目標にできたらと思います。

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