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場面緘黙症を支援するために求められるものとは!?

日生マユさんの漫画『放課後カルテ』という作品をご存知ですか。

小学校を舞台に牧野先生という学校医が、小学生たちが抱える病気に次々と向き合う新感覚医療マンガです。その中で、外崎真愛ちゃんという女の子が出てくる回があります。

そう、この女の子、実は声に出したいけど出せないという場面緘黙症を患っている女の子なのです。音楽の練習でも声が出せない、名前を呼ばれても返事ができない、周りからは口がないのではとからかわれ、ますます自分の殻に閉じこもって学校を楽しくないと感じてしまっているのです。

そこで牧野先生は真愛ちゃんのために色々な取り組みを行っていくのです。担任の先生、そして母親ですらどうしていいのかわからなかった真愛ちゃんの苦しみに、牧野先生が真摯に向き合っていくのです。

果たして真愛ちゃんがどうなっていくのか、その結末についてはぜひ漫画を読んでほしいと思います。

今回はそんな場面緘黙症を持った人たちに対して、日常生活を送る上でも、場面緘黙の症状が改善するためにも周りの理解や支援というのが欠かせません。どういった理解や支援が必要なのか、そのことについて考えていこうと思います。

初期対応が最も重要

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場面緘黙症を発症する時期として知られているのが保育園や幼稚園に上がるときです。このときに初めての集団生活、母親からの分離、経験したことのない環境など、心理的要因や環境的要因が重なって不安や緊張が増幅され、結果的に話したくても話せない(緘黙)、動きたくても動けない(緘動)が起こるのです。

場面緘黙症は話す力を持っているのにもかかわらず、不安や緊張が極端に表れてしまって話せなくなることが多いので、その不安や緊張の大元が何であるかを把握しなければいけません。

ただ残念ながら、場面緘黙症の経験者その保護者の多くが早期の対処や予防策を期待しているにもかかわらず、幼稚園や保育園の先生、その後の小中高の担任、社会に出てからの周囲の大人は場面緘黙症について知識もないし誤解も多く、ましてや正しい対応ができないことが多いです。

場面緘黙症は大人になれば自然と良くなっていくというわけではなく、学年が上がったり、進学したりと環境が変われば、その分だけ本人の改善しようという意欲が逓減していったり、周囲の支援が得られにくくなったりします。

だからこそ年齢が上がるにつれて、緘黙というもので嫌な思いをしないためにも、初期対応というのが最も重要になってくると言えます。

では初期対応として何をしなければいけないのか。色々な対応策はあると思いますが、その中でも保育士や幼稚園の先生が場面緘黙症について知り、その可能性がある園児についてはその子の親と一緒に接し方を考えていく必要があります。

例えば、繊細で傷つきやすい性格の園児は場面緘黙症になりやすいです。家庭以外の環境において一番最初に発した言葉に関して、周りの園児からバカにされたり、変だとからかわれたりすると自分の身を守るために二度としゃべらなくなることがあります。結果的には緘黙のベースを作ってしまいます。

そこで傷つきやすい園児を傷つけない対応をとったり、傷ついた後のメンタルケアを施していかなければいけません。早期に対処することで、その後の園児の人生を救うことにつながります。

近くにいる大人が理解しているか

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先ほど、場面緘黙症を保有する子どもに対して、周りにいる大人たちの初期対応が最も重要であることを話しました。しかし場面緘黙症の経験者は家では話せるけれど、家の外になると話せないというケースがあります。

そういった内と外でのギャップがあり、近くにいる大人が理解できずに、偏見や誤った理解をしてしまう可能性があります。近くに大人の誤った理解は確実に当事者を追い込んでしまい、不登校やひきこもりに発展してしまう可能性があります。

その場合、親が先生と連携をとって状況を確認しあったり、スクールカウンセラーを活用して学校を当事者にとって不安を感じさせないような場所にする工夫が求められます。

また学校生活の場合、学年が上がることで担任が変わるケースがあります。できれば担任の持ち上がりが望ましいといわれていますが、学校の運営上、それが必ずしもできるわけではないので、変わるケースを想定して次に担任になる先生にも理解してもらうように、連携を図っていく必要があります。

場面緘黙症を持ちながらでも過ごせる環境作り

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当事者の周囲にいる人の理解が得られることによって期待できるのが、場面緘黙症を持ちながらも過ごせる環境が形成されるということです。

場面緘黙症が発症しやすい時期として幼稚園や保育園の時を挙げましたが、学年が上がるにつれて友達付き合いの変化、発言が求められる機会が必然と増えるため、早いうちに対応を取っておかなければ治りづらくなってしまいます。

また話せない期間が長く続くことで、本人の中で「自分の緘黙は変わらない、このままでいい」という負の思い込みをしてしまうことで、それこそ改善の見込みはなくなってしまいます。

しかし環境要因にアプローチすることで本人の取り巻く環境が変わるので、場面緘黙症を改善できる機会が増えていきます。

冒頭にもあげた漫画『放課後カルテ』に出てくる牧野先生もまた、場面緘黙症を抱えている子どもが安心して活動できる環境を整えていくことを提案しています。そして活動においても、その子が自然と声がでるような楽しい内容を取り入れたり、不安をあまり感じない場所でその活動を行うことが大切だと言っています。

もちろん周りにいる人はその際に、その子が発言することを強制するのではなく、その子が発するまで待つ時間を設けたり、場面緘黙症を持ちながらも意思が伝わるような工夫を施すことが必要になってきます。

しかしそういった環境要因が場面緘黙症を抱える人にとってプラスの方に変化することで、本人もまた意識的に話していこうかなとやる気が上がりますし、緘黙の現実を周りの人と一緒に共有することで改善の兆しもあると思います。

以前、場面緘黙症を抱えた当事者の方にインタビューした際、絶えずおっしゃっていたのは場面緘黙の正しい理解ということでした。

やはり場面緘黙症というのは、何も知らない他の人から見れば、どうして話せないのかということに理解に苦しむため、小さい頃からその辛さを感じながら生きてこられて、だからこそ切実に周りの理解を得たいことを願っていました。

確かに、話せる力を持ちながらも話せないという辛さは当事者にしか分かり得ないところもあり、また周りから誤った見方をされることにより理解してもらえない苦しさと、二重の辛さを抱えている当事者がたくさんいます。

場面緘黙症に対する有効な支援策というのは緘黙の質によって大きく異なり、また年齢が上がるにつれて変化するので、一筋縄ではいかないところがあります。

また場面緘黙症が起こる原因は様々で、養育者との分離不安や愛着などによるものから、度重なる転校、そして進学を機に環境が大きく変わってしまうことなどで起きてしまうことがその要因として挙げられます。

しかし場面緘黙症は不治の病ということではありません。早期的な対応策により克服した方もいらっしゃいます。

だからこそ個々の要因や将来的な展望も含めて、当事者、その保護者だけではなく、周りにいる人も含めて全体で場面緘黙症を抱えながらも社会に参加し活動できる環境作りが求められることでしょう。

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