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曝露反応妨害法とは!?手順、効果、特徴について

心理療法には様々な種類があります。認知行動療法や森田療法などをはじめ、ここ最近の流れとして第三世代の心理療法であるマインドフルネスの名前を聞く機会が増えました。

その中で今回紹介するのは曝露反応妨害法という心理療法です。

この曝露反応妨害法は行動療法のひとつであり、今では認知行動療法のプログラムの一つとして用いられています。

では具体的にどういう手順で行われ、どのような特徴があるのか見ていこうと思います。

曝露反応妨害法とはどんな療法か

曝露反応妨害法は強迫性障害に用いられる心理療法で、当事者にとって不安を感じるようなことを敢えて実行し、その際に強迫行為をしないように我慢して、その不安が自分自身にとって過度に不安を感じるものではないということを認知する方法です。

強迫性障害の人は、その行動が馬鹿らしいと分かりながらも抑えられず自発的にわき起こってくる考えや疑いといった強迫観念と、その強迫観念から来る恐怖や不安の衝動を何とかしようとする強迫行為を抱えているのが特徴です。

人は不安を解消するような行動を快いものとして捉える生き物なので、たとえ無意味なことであっても続けてしまう特性を持ち、このメカニズムが過剰すぎることで日常生活に支障をきたしてしまうのが強迫性障害の辛い部分と言えます。

そこで強迫性障害の症状を改善するための方法として、強迫行為を抑えるアプローチとなる曝露反応妨害法が用いられるのです。

曝露反応妨害法のやり方

強迫性障害は大まかには強迫観念と強迫行為で成り立っています。

そのためどのような強迫観念があり、その強迫観念によってどんな強迫行為があるのかを把握する必要があります。でなければ治療が中途半端になってしまい、ただでさえ強迫観念に苦しむ当事者にとってますます苦痛を与える結果になってしまいます。

また曝露反応妨害法の「妨害」という言葉ですが、これはあくまでも強迫性障害の人が自発的に強迫行為を行わないようにするのが目的であって、周りにいる人たちが無理やり抑制してはいけません。

では具体的なやり方を見ていきましょう。

例えば洗浄強迫(不潔強迫)を持っていたとします。洗浄強迫(不潔強迫)とは不潔だと思うものを触ることで自分自身の身体にその汚れがついたことを過剰に考えてしまい、その汚れを払しょくするために何度も何度も洗浄を繰り返すというものです。

時には一度に大量のハンドソープを使い、洗いすぎて皮膚から血が出ているにも関わらず洗い続けてしまいます。

このケースでは、皮膚から血が出ているにも関わらず洗い続けることが強迫行為なので、この行動に関してアプローチします。

一般的なやり方では、根底となっている強迫観念を分析し、そのことを踏まえて段階的に強迫行為をしないように課題を組みます。

手が汚れたと思ったらいつ洗えるのか、どれほどの時間をかけて洗えるのか、どのくらいの量のハンドソープが使えるのかなど、当事者と確認しながら無理しない程度にルールを細かく決めていきます。

不快だと思う気持ちを抑えつつ、また反応によって起こる行動を妨害することで、徐々にですが「長い時間をかけて洗わなくてはいけない」という強迫観念が薄らいでいく感じを得ることができます。そして段々とハードルを上げていき、日常生活に支障をきたすことなく、また強迫行為に縛られないようになれば目標達成となります。

ただ曝露反応妨害法にはいくつか注意点があり、やり方を間違えてしまえば当事者が治療を拒否して不信感を抱いてしまうことがあります。

例えば洗浄強迫の事例であれば、治療者側が無理やり不潔なものを触らせようとする行為は当事者の強迫観念を強めてしまうきっかけになってしまいますので、あくまでも治療の主導権は治療を受ける側にあることを意識しなければいけません。

また強迫性障害に多く見られる症状として洗浄強迫の他に、何度も繰り返し確認してしまう確認強迫というものがあります。この確認強迫に関して、治療中に家族が代わりになって家の戸締りや火の元の確認をしてあげる優しさは、問題の根本を解決するものにはならないので、家族に曝露反応妨害法の課題が遂行できるようにサポートしてもらうことは構いませんが、症状を持続させるような形でのサポートは注意が必要です。

曝曝露反応妨害法の問題点

曝露反応妨害法は治療プログラムが円滑に進めば、課題を達成していく過程で自信がつき、また再発という観点で言っても症状がぶり返しにくいというメリットがあります。

ところが曝露反応妨害法にはいささか欠点といいますか問題点もあります。

確かに曝露反応妨害法は強迫性障害を患っている人に向けた心理療法なのですが、治療に際して適応できる人が限られているというデメリットがあります。以下に示すのが治療に向かない人の条件です。

  • 知的機能が低い
  • 他の精神疾患との合併がある
  • 強迫症状の不合理性の自覚があまりない
  • 生活障害が比較的高い
  • 治療への動機づけが不十分

強迫性障害は他の精神疾患と合併しているケースがあります。そのため治療の優先順位として強迫性障害の症状に焦点を当てた治療ではない場合というのも考えなければいけないため、必ずしも強迫性障害だから曝露反応妨害法を用いるかということにはなりません。

病院での診察において、病歴や症状のこと、家族や友人関係のこと、仕事のことなどを踏まえたうえで治療が開始されますので、場合によっては別の治療法となることも予め知っておく必要があるでしょう。

強迫性障害は『DSM-5』になる以前は不安障害の一部に含まれる精神疾患でした。

ところが強迫性障害の中には不安や恐怖がなくても強迫行為を繰り返す人が一定数いることが分かり、不安を主訴とする不安障害ではなく、強迫観念を払しょくするために○○をやりたいという強い衝動性に関係する病気として、現在は不安障害から独立して強迫性障害および関連障害群として考えられています。

今回紹介した曝露反応妨害法は、不安障害の傾向に近い強迫性障害に対して有効視されている心理療法であり、ここ最近は認知行動療法のプログラムのひとつになっています。

また認知行動療法とお薬を併用することが、現在のところ不安障害そして強迫性障害に対して最も効果があることが研究結果で示されておりますので、お薬を服用しつつ曝露反応妨害法といった心理療法に取り組んでほしいと思います。

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