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不安と恐怖って何が違うの!?不安障害にみる不安と恐怖の話

当サイトの中でも、たびたび「恐怖」や「不安」という言葉が登場します。また多くの人が日常生活の様々な場面で「恐怖」や「不安」という言葉を使っていることでしょう。

ただ多くの人が、その言葉の意味の違いを意識することなく使っていると思います。意味的にも大きな違いは見られないですしね。

しかし医学的に見るとその両者には明確な違いがあります。皆さんはご存じでしたか。

今回は不安障害を例に、「不安」と「恐怖」がどのように違うのか、またそれぞれについて詳しく見ていきたいと思います。

不安と恐怖の違いについて

不安障害に分類される心の病気として、「不安」という名称がつく社交不安障害や分離不安障害、「恐怖」とつく広場恐怖症や限局性恐怖症などがあります。

また社交不安障害をさらに見ていけば、視線恐怖や会食恐怖、スピーチ恐怖などの恐怖とつくものがあります。

「不安」と「恐怖」という言葉、一見似たような意味合いを持っていますが、正確に言えば「不安」は漠然としていて不明瞭な対象に対して感じる恐れ、「恐怖」ははっきりとした特定の対象に対して感じる恐れを指します。

社交不安障害の場合では、人と交わる場面である社交という空間や振舞いという中で、漠然としていて不明瞭な対象に対して恐れを感じていることがわかります。

一方で広場恐怖症の場合、公共の場所や囲まれた場所で恐れを感じるので、はっきりと特定できるものを対象にしていることがわかります。

健全な不安と病的な不安

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「不安」という感情は誰しもが抱く感情です。将来の不安、お金の不安、健康の不安など、私たちの身の回りには未確定な要素がたくさんあり、それゆえ心が落ち着かないことも多々あります。

では「不安」という感情がなければいいのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。もし私たちの中に不安という感情がなければ、危険なことに対して予防や対処もできない状況に陥ってしまいます。不安は私たちがよりよく生きるためにはなくてはならない存在なのです。

しかしその不安の程度や深刻さが大きくなってしまうと、それは健全な不安状態とは言えず、病的な不安状態に変わってしまいます。そしてそのような状態に陥って日常生活に支障をきたしている姿が不安障害と言えるでしょう。

不安障害についてもう少し深く探ってみると、分類される心の病の中には不安の引き金となった原因が分かるケースと分からないケースが存在します。いわば恐怖体験の存在です。

例えば全般性不安障害や分離不安障害などは、いつ頃からその不安が始まったのか分からないケースが多いです。そのため、もともと不安体質な上に育った環境がそのような病気を作り上げてしまったと言えます。

一方で心的外傷後ストレス障害(PTSD)やパニック障害は、いつその不安が始まったのか特定できることがほとんどです。パニック障害であれば、通常、最初にパニック発作を起こした時の状況による恐怖体験が不安のきっかけになっています。

不安を作った原因が分かっている場合、その不安を抱いた時の気持ちを整理し上手にコントロールできるようになることで症状が改善することがあります。

先ほど例に挙げたパニック障害の場合、パニック発作を起こしやすい場所としてバスや電車などの公共交通機関や閉鎖的な場所といった、発作が起きた時にすぐに逃げられないところが多いです。

こういう場所に自分の身を置いた時、やはり発作が起きた時に逃げられないような環境は次なるパニック発作を起こしやすいですし、「もう一度起きたら」ということを再認識させてしまうことで、病的な不安をより一層ひどくしてしまいます。

しかしお薬や心理療法によって、不安の感じ方、不安に対する認識などを緩和させることで、不安を感じつつも不安をコントロールすることができ、次第に症状が改善し普段通りの日常生活を送ることが可能になります。

健全な不安と病的な不安の明確な境い目はありませんが、私たちを守る警報システムの役割を果たす不安も過剰すぎることで身体を傷つけてしまう厄介なものになってしまうのです。

恐怖を知る大切さ

日常生活において、その意味の違いを理解して「不安」と「恐怖」と使い分けることはしないと思うので、そこまで気にすることはないだろうと思う人も多いでしょう。私自身も、普段そこまで意識して使うことはないので、さほど気にする必要は全くないと思います。

しかしそうは言っても、恐怖というものが何であるか、自分の恐れの対象を知るということは、実は不安障害を改善するうえで必要不可欠になることは間違いありません。

その理由としては、当事者が何に対して恐れを感じているのかを周りが理解しなければ治療がうまく進まないからです。

例えば社交不安障害の場合、当事者の方が初めてお医者さんのところを訪れ、単に「人と一緒にいると不安なんです」と言っても、あまりにも漠然すぎて誤診につながってしまいます。同様に家族や信頼できる友人に対して同じことを言っても、性格の問題と軽くあしらわれてしまう可能性もあります。

だからこそ自分の恐怖というものを正しく把握し、明確化することが求められるでしょう。

自分が何に対して恐れを感じるのか、場所や空間はどういう環境なのか、自分自身が理解しているのと理解していないとでは全く異なります。

感情のひとつとして「不安」や「恐怖」は存在します。人によっては不安という感情そのものに対して恐怖を感じることもあります。その場合でも、不安の原因となるものが分かり、恐れを感じているものが何であるかを明確にできれば、また恐怖というものを自身がしっかりと受け止めていれば、対処法が立てやすくなり改善や克服に結びついていきます。

不安と恐怖はひとつのセットとして語られることがありますが、「不安」というのは漠然としていて不明瞭な対象に対して感じる恐れであり、「恐怖」ははっきりとした特定の対象に対して感じる恐れを表し、実は明確な違いがあるのです。

ノーベル賞を受賞したキュリー夫人は放射線の研究をしていたからなのか、「人生には恐れるべきものは何もない。 理解しさえすればいいのだ」という言葉を残しています。まさに理解する大切さを説いています。

誰しもが抱く不安という感情、その不安の捉え方や位置付けを間違えると、人間はその不安をコントロールできず、不明瞭な存在である不安に対してまでも恐怖を感じ、さらなる混乱を招いてしまいます。

しかし恐怖を正しく把握することで混乱を未然に防ぎ、効果的な治療に導くことができます。そのためにも自分が何に対して恐れを感じて、どういう不都合が生じているのか考えていきたいですね。

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