不安障害に関する症状や原因、治療法などについて、その当事者や家族、また不安障害を知らない人に向けての正しい理解を目指した特化サイトです。

不安障害ラボ

不安障害に関する症状や原因、治療法などについて、その当事者や家族、また不安障害を知らない人に向けての正しい理解を目指した特化サイトです。
>>当サイトの詳しい説明はコチラ

  1. TOP
  2. 不安障害
  3. 不安障害で知る内因性、心因性、外因性について

不安障害で知る内因性、心因性、外因性について

心の病気は大きく分ければ内因性の精神疾患、心因性の精神疾患、外因性の精神疾患のそれぞれ3つに分類することができます。

それぞれの言葉は、心の病気のもとになっている要因を分ける意味で内因性、心因性、外因性とつけられています。

現在、精神疾患を診断する基準として『DSM-5』が採用されていることが多く、病気になったきっかけや要因に基づいた分類ではなく、症状の表れ方、症状が継続している期間、症状の程度に応じて各々の診断が下されています。

そのため診断が行ったり来たり、どの診断が正しくてどのような治療が合っているのかわからない状態に晒されている人が数多くいらっしゃいます。

典型的な不安障害は心因性の精神疾患に含まれることが多いものの、必ずしもそれだけではなく内因性の要素、外因性の要素があるケースも往々にしてあります。

今回は、より良い治療に結び付けられるように、内因性、心因性、外因性それぞれの特徴を見ていきたいと思います。

内因性、心因性、外因性について

内因性

生まれつき脳の機能的な面で正常とは違う反応を示し、それがもとになって発症するものを内因性の精神疾患と言います。

内因性の病気の多くは生まれたときからそのような特徴を示しますが、生まれてすぐではなくある程度成長してから明らかになっていく場合もありますし、環境によってその生まれ持った特性が強く表れてしまう場合もあります。

典型的には脳の機能的な面で何かしらの不具合が見られるため、その不具合を修正する必要があります。よく見られるものとしては脳の部位の活動異常、それに伴う神経伝達物質の分泌異常で、お薬を活用することで症状の改善を図ることができます。

不安障害のケースを考えた場合、生まれつき脳の機能的な面で過剰に恐怖や不安を感じてしまうケースがあり、特に場面緘黙症、分離不安障害などはもともと不安になりやすい気質を抱えていることが多く、仮説の話ではあるものの、不安になりやすいのは扁桃体が外的刺激に対して過敏に反応してしまっているからだと言われています。

不安障害以外の精神疾患では、統合失調症や双極性障害などがこちらの要素を持っていることが多く、薬を正しく服用することで症状が改善し特に支障もなく日常生活を送れるようになります。

心因性

人間は生きている中で、何度も悲しいことや辛いことを経験しその度に乗り越えていく対処能力を持っています。

しかし時に急激な環境の変化、心に突き刺さるような強烈な体験、慢性的なストレス状態にさらされると、対処しきれずに、その分だけネガティブな感情や気分に支配されてしまいます。そして不安や抑うつ状態が続くことで身体的な症状も表れ、次第に生活に支障をきたしてしまうのが心因性の精神疾患です。

明確な心因的な出来事があり、それがきっかけで正常な感情や気分が保てず、さらに回復しづらい状態に陥っていて普段どおりの日常生活を送れていない場合、心因性の要素が高いと言えます。

心因性の病気は、心因となっているものを取り除くことが症状改善の近道です。しかし全ての人が上手に取り除けることができるわけではないので、その場合は取り除く以外の方法を考える必要があります。例えば、心因的な出来事を受け入れる、忘れる、捉え方を変えるなどの方法があります。

ただ、受け入れたり捉え方を変えたりするのは、精神的に弱っている人にとって容易なことではありません。その場合、専門家の力を借りてカウンセリングを受けることで良い結果に結びつきやすくなります。

かつて「神経症」と呼ばれていた病気はここに当てはまるケースが多く、その流れを引き継ぐ不安障害の多くはもちろんこちらの要素を持っています。その他では適応障害やPTSD、うつ病などもこちらに該当します。

外因性

精神疾患の中でも脳腫瘍や事故による脳の損傷、脳以外の部分での身体症状(甲状腺異常や代謝異常)によって精神的な症状が表れる場合は外因性の精神疾患と言えます。

外因性かどうかを知るためには脳や血液の検査が必要で、患者への問診だけで分かるものではありません。

外因性の精神疾患はもう少し細かく見ると、脳腫瘍や脳炎などの脳そのものによる器質性、甲状腺の機能異常や膠原病など脳以外の部分の身体症状による症候性、アルコールや薬物依存などによる中毒性があります。

身体的な病気が明らかな場合はそちらの治療を優先する必要があり、場合によっては外因性の原因となっているものを治療することで、抑うつや過剰な不安などの精神症状も一緒に改善することがあります。

不安障害でも、脳損傷や身体疾患によって生じる器質性不安障害はこの外因性に属しますし、不安障害と合併するケースが多いアルコール依存や薬物依存などもこちらに該当します。

さきほども言いましたが、問診だけでは分からないものなので、症状が長期化しているのであれば外因性による可能性も頭に入れておいたほうがより良い治療に結びつくのではないかと思います。

車の運転に喩えると分かりやすい

内因性、心因性、外因性について大まかな特徴を述べましたが、それぞれを車の運転に喩えるとより分かりやすくなると思います。

目の前に大きく蛇行運転している車があったとします。通常なら蛇行せず真っ直ぐ走るので異常があることが分かりますね。

もしかしたらハンドルが効かなくなっているかもしれないし、運転している人の技術が乏しいかもしれないし、はたまた運転している人の心理状態が思わしくないのかもしれません。

そしてこのようなケースをそれぞれ内因性、心因性、外因性に当てはめてみると、ハンドルが効かないといった車そのものに異常がある場合は外因性、車には異常が見られないもののドライバーの運転技術が著しく低下している場合は内因性、車も問題なくドライバーの運転技術も普通だけどドライバーが運転できる心理状態ではない場合は心因性という形になります。

このように考えると、適切な治療に結びつけるためにも、本来であれば外因性も内因性も心因性も全ての可能性を考えて診察・診断されなければいけません。

しかし現実的には、外因性の可能性ははじめから無いものとして、内因性や心因性の可能性だけを見て診察することが往々にしてあります。精神疾患が直接の死因になるケースはほぼありませんが、それでも症状が長引いてしまえば人生そのものを失いかねませんので、やはり全ての可能性を考えていく必要があるわけです。

今回は内因性、心因性、外因性の特徴についてそれぞれ見ていきました。

不安障害に限らず、内因性、心因性、外因性というのは全ての精神疾患で可能性があり、また時には各々が重なり合って判別しにくい状態にあるケースも多くあります。

不安障害をはじめとした精神疾患は、身体疾患のような特定可能な原因を追求できないケースが数多くあり、そのため治療においても原因論に基づいたものではなく、症状を緩和するためにどうしたいいのか、当事者の苦悩を和らげるために何がいいのかという目的論に徹した治療法が施されることが多いです。

症状が改善して日常生活や社会参加ができるようになることが第一なので、そのための治療が行われることが最もであり、そこに原因論や目的論にこだわる必要性は全くないものの、心の病気だからと言って最初から外因性の可能性を考えないのは危ないのではないかと思います。

だからこそ、最低限として内因性、心因性、外因性の可能性があることを考慮しつつ、適切な治療に結び付けていかなければならないと言えるでしょう。

不安障害を抱えている人は、病院に行くだけでも他の人の何倍も苦痛に感じてしまうことがあり、色々な病院に行くことは極力避ける傾向にありますが、全ての可能性を考えた場合、時にはメンタルクリニックや心療内科以外の病院に行ったほうがいいこともあります。

あくまでも可能性の話ではありますが、本人だけではなく周囲の人も知っておくことでベストな治療に繋がるのではないかと思います。

スポンサードリンク

アーカイブ

月別一覧
年別一覧

profile

管理人:ミヤシタソウジ

プロフィールの詳細はコチラ

当サイトの説明はコチラ

Twitter:@soji_miyashita

当サイトに関すること、その他個別の問い合わせがありましたらメールにてお願いします。

Gmail:soji.miyashita★gmail.com
(迷惑メール防止のため、送る際は★を@に変えてください)

PAGE TOP