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人見知りとは!?人見知りに見られる4つのタイプについて

やたらとコミュニケーション能力が問われる現代社会では、「初対面の人とうまく会話がはずまない」、「人と打ち解けるのに苦労する」、「友達がなかなかできない」などのコミュニケーションに関わる悩みを抱えている人が多く存在します。特に日本においては顕著ですよね。

そして、コミュニケーションを苦手としている人が、人とコミュニケーションを取る時に「人見知りなんです」と警戒線を張って接することが往々にしてあります。

ただ、人前に出ることが好き、目立つことが好き、演技することが好きな芸能人の中にも、インタビューの際には、「実は自分は人見知りなんです」とアピールすることがあり、「人見知り」ってどういうことを示すのか、実際はよくわかっていない人もいるのではないかと思います。

今回は人見知りに焦点をあてて、研究でわかった人見知りのタイプ、人見知りの意味について確認していきたいと思います。

人見知りに見られる4つのタイプ

「人見知り」という反応は、他者への警戒を示すために自己防衛のための本能的なものだと考えられています。

確かに、初めて会う人ほど素性が分からない部分もあるので、警戒心を持って接するというのはごくごく自然の行動です。

ただ自己防衛のための本能的なものと考えられていても、人見知りにも程度があり、一言に人見知りと言っても、人によっては状況が異なっていることがしばしばあります。

そうした状況下で、ウェルズリー大学のJonathan Cheekが約500名の男女を対象にアンケート調査・研究したものによると、人見知りには、大まかに4つのタイプがあることが分かりました。

社会型の人見知り(Social introversion)

一つ目のタイプは、社会型の人見知りです。

大人数でワイワイ騒ぐのが好きという人もいれば、その反対に少人数のグループで交流するのが好きという人もいると思いますが、社会型の人見知りの人は、少人数のグループで交流する傾向にあります。

ただ場合によっては、どこのグループにも属さず一人でいることを好みます。

行動スタイルもアウトドア派ではなくインドア派で、知らない人との交流に苦手意識があります。

内気やシャイなどの性格を持っているというよりも、むしろ単純に一人行動や少人数での行動のほうが気楽であるから、そうした付き合い方をしているのが特徴です。

思考型の人見知り(Thinking introversion)

二つ目のタイプは、思考型の人見知りです。

ひとりで内省することが多いため、結果的には人見知りにみえてしまうタイプです。

社交的な場面や機会が苦手であったり嫌いであったりするというものではなく、自分の妄想や空想にふけっていることが多いので、コミュニケーションの機会を逃してしまい、人見知りのように捉えられてしまうのです。

不安気質型の人見知り(Anxious introversion)

三つ目のタイプは、不安気質型の人見知りです。

このタイプは他の人と一緒にいることが苦痛で、自ら孤独を選ぶタイプの人見知りです。

また周りからの評価に対しては敏感で、「相手に受け入れてもらうために上手に話さなければいけない」、「下手なことを言って相手に嫌われたらどうしよう」などを考える傾向にあります。

基本的には自分の社交スキルの乏しさを理解し、自信がないことが背景にあることが多いです。

自己抑制型の人見知り(Inhibited introversion)

四つ目のタイプは、自己抑制型の人見知りです。

失敗しないようにじっくり考えて行動に移すタイプで、その結果、自分の発言にも一言一言に気をつけて発するため、相手からは会話が苦手という認識を持たれやすいのが特徴です。

背景には完璧主義的な傾向があり、行動自体も周囲をよく観察するためワンテンポ遅くなり、コミュニケーションもまた相手とズレが生じてしまいます。

社会型の人見知り、思考型の人見知り、不安気質型の人見知り、自己抑制型の人見知りの4つのタイプがあることを確認しましたが、この調査自体はあくまでもアメリカで行われたものなので、日本ではまた違うタイプのものがあるかもしれません。

人見知りと社交不安障害の違い

人見知りには色々なタイプがありましたが、人見知りの状態というのを具体的に表すと、「初対面の人に対して気後れしたり、人と会話する際にもじもじして受け答えがぎこちなかったりする仕草や様子」だと思います。

どうして初対面の人に対して気後れしたり、会話がぎこちなくなってしまうかというと、その背景には「他人に自分の存在を受け入れてほしい」、「他人から無視されるのが怖い」、「他人から嫌われていないか不安」などの心理的な状態が関わっており、その結果として、人見知りのような反応になってしまうと考えられます。

内心では「相手に自分の存在を受け入れてほしい」と思いながらも、その相手が果たして本当に自分を受け入れてくれるのか、もしかしたら無視されるのではないかという気持ちが入り混じることで、表面的に人見知りの反応が表れます。

そのため、人見知りの人は、一度相手が自分を受け入れてくれる人だと感じた時は、初めて出会った時より会話のやり取りが軽快で初対面のイメージを覆すことが多々あるのです。

一方、社交不安障害は人と何かしらの交流を持つことに対して著しい不安や恐怖を感じる心の病気ですが、その状態は、人見知りと混同されることがよくあります。

人見知りのタイプにも不安気質型のタイプがあったり、また大きな枠組みで捉えれば、人見知りも社交不安障害も「社交不安」という枠組みに属し、現象自体が連続性を持っているので明確に区別することが難しいということから、混同されてしまうように感じます。

しかしながら、社交不安障害を抱える人は、もちろん相手に対する恥ずかしさというものはあるものの、その恥ずかしさが過剰であるあまり、相手の記憶から自分の存在を忘れてほしいという気持ちが見受けられます。

そうした気持ちが影響し、他人から親しくされると「自分を受け入れてくれた」という安心感よりも、むしろどこか疑いの目で見てしまい不安を感じてしまうことがあります。

他人に「自分の存在を受け入れてほしい」という人見知りの根底にある考え方と、過剰すぎる羞恥感情ゆえ「自分の存在を忘れてほしい」という社交不安障害の考え方とでは、逆であることが分かります。

だからこそ人見知りよりも社交不安障害の方が、人と接する場面や機会を回避するという行動が極めて強く見られるのではないかと思います。

もちろん幼少期の頃に人見知りや内気な性格だった人が、大人になって社交不安障害を発症してしまうケースもありますので、一概には言えないものの、人見知りではなかった人が社交不安障害になってしまう事例も多く、人見知りと社交不安障害には多少なりとも違いがあるのです。

人見知りと社交不安障害を対比させると以下のようにまとめることができると思います。

人見知り社交不安障害
  • 他人から無視されるのが怖い
  • 他人に自分の存在を受け入れてもらいたい
  • 初対面の人に対して強い不安を感じやすい
  • 他人に親しげに接してもらえると安心する
  • 他人から侮辱されるのが怖い
  • 他人に自分の存在を忘れてもらいたい
  • 初対面に関わらず何度会っても強い不安を感じやすい
  • 他人に親しげに接してもらえると逆に困惑する

人見知りはネガティブな印象を持ちやすい

人見知りはコミュニケーション能力に欠けるという印象を相手に抱かせやすく、採用面接を受ける人にとっても、できるだけ克服しておきたい項目のひとつでしょう。

そのためどうしても人見知りはネガティブなイメージが付きまといやすいものです。

しかし「人見知り」というのは、文字通りの意味で取れば「人を見て、知ろうとする」ことです。

人のパーソナリティ空間にずかずかと侵入してくるような人よりは、相手のことをよく知って、常に距離感を保とうとする人のほうが好感が持てるのではないでしょうか。

そのように考えると、人見知りであることは悪いことではないと思います。

また冒頭のほうでも言いましたが、人見知りという反応があるのは、他者への警戒を示すために自己防衛のためという重要な役割があってのことで、意味がある行動なのです。

だからこそ、人見知りであることにそれほどネガティブにならず、人見知りの意味を知って上手に活用していくことが求められるのではないでしょうか。

今回は人見知りについて、様々な視点から見ていきました。

一言に「人見知り」と言っても、社会型、思考型、不安気質型、自己抑制型の4つのタイプがあり、なかには自分はそうではないと思っても、人見知りだと見られてしまうタイプもあります。

人見知りは幼少期の頃に使われやすい言葉なので、自分の子どもが人見知りのような行動をとっていたとしても、本人にしてみればそうではない可能性も十分にあり、安易なレッテルを貼って行動範囲を狭めてしまいかねないので注意が必要です。

人見知りを深く知れば知るほど、そんなに悪いイメージを持つものではないと思います。むしろ相手をよく知ろうとする意識を持っているのが人見知りの人なのではないかと感じます。

物事には良い面と悪い面があり、もちろん人見知りにも同じことが言えます。ただ時代背景から、人見知りの悪い面ばかり注目され良い面がないがしろにされている気がします。あらためて「人見知り」について知ることが求められるでしょう。

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