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ホンマでっか!?植木先生推奨のパニック障害を克服する方法について

2017年5月31日に放送された「ホンマでっか!?TV」をご覧になられた方も多いと思いますが、その中でパニック障害について取り上げられていたシーンがありました。

評論家として出演されている植木理恵先生。ご自身もパニック障害を患っていたことを番組内で話されていましたが、著書『シロクマのことだけは考えるな!』や『ウツになりたいという病』でもご自身のパニック障害に関する記述があります。

中学生の頃から8年ほどパニック障害を患っていた植木先生。心理学の専門家となった今、パニック障害を患っていた経験が土台となってカウンセリングや研究に活かされているのではないかと思います。

では、植木先生が推奨するパニック障害克服法とはどういったものなのか、番組や著書を参考に見ていきたいと思います。

パニック発作とパニック障害の違い

パニック障害自体、アメリカの成人のうち約600万人もの人が患っており、また生涯有病率(一生のうちに一度は病気にかかる人の割合)は約3.5%とも言われています。このデータはアメリカのものなので、日本国内ではまた違った数字になると思いますが、それでも物珍しい心の病ではないことは分かるのではないかと思います。

ところで思い当たる節がある人も多いと思いますが、大事な試験や人前でのスピーチの時というのは、緊張から心臓がバクバク、手汗がビッチョリ、体がガクガクしますよね。

ひどい場合には吐き気から本当にもどしてしまったり、腹痛から何度もトイレに駆け込む人もいると思います。

強いプレッシャーを感じると何かしらの身体症状が襲ってくる時、あるいは自分に対するコントロールがうまくいかないと感じる時、精神医学的には、その人はパニック発作に陥っているといわれます。

具体的にはパニック発作は以下に示す13の症状にまとめられています。

  1. 動悸や心拍数の増加
  2. 発汗
  3. 身体の震え
  4. 息切れ感や息苦しさ
  5. 窒息感
  6. 胸の痛み、胸部の不快感
  7. 吐き気、腹部の不快感
  8. めまい感、ふらつき感、気が遠くなる感覚
  9. 寒気またはほてり
  10. 感覚が麻痺する、うずくなどの異常感覚
  11. 現実的ではないという現実感消失または自分自身が離脱しているという離人症状
  12. 抑制力を失うことによる恐怖、気が狂ってしまうことによる恐怖
  13. 死ぬかもしれないという恐怖

パニック発作自体はストレスで心身ともに疲れている時に起こりやすいものです。なので現代社会では想像以上にパニック発作を起こしている人がいると思われます。

ただパニック発作が起これば全員がパニック障害というわけではなく、『DSM-5』によればパニック発作が繰り返し起こることに加えて、以下に述べることが少なくとも1つ、そしてそれが1カ月以上続いていることがパニック障害の要素を満たす条件となります。

  1. さらなるパニック発作に発作またはその結果について持続的な懸念や心配(例:抑制力を失う,心臓発作が起こってしまう,”どうかなってしまう”)
  2. 発作に関連した行動の意味のある不適応的な変化(例:パニック発作を避けるような行動)

-American Psychiatric Association(高橋三郎、大野裕、染矢俊幸ほか訳)『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』医学書院より引用-

つまり一時的に過呼吸やパニック発作の症状があるからといって、単純にパニック障害と診断できないのです。

またパニック障害には「予期不安」が伴います。パニック発作を恐れるあまり、「以前に経験したことと同じような症状に見舞われるのでは」という思考が強く表れてしまい、それがまたパニック障害の辛いところなのです。

さらにパニック障害を持つ人は気分が正常(気分の起伏がほとんどない)である時にも、パニック発作が突破的に起きてしまうのが特徴です。

人によってはうつ状態で気分がすぐれず倦怠感もあって、それが理由で外出したくない、乗り物に乗りたくないこともありますが、パニック障害を持っている人というのは予期不安や突然襲いくるパニック発作が怖いので、外出が困難になってしまうのです。

パニック発作を伴う心の病というのはパニック障害だけではありません。単にパニック発作があるからと自己判断せず、心療内科や精神科を標榜する病院で一度受診することをお勧めします。

パニック発作を抑える方法

「ひとり実況中継」

前置きが長くなりましたがここからが本題です。

実はパニック障害に苦しむ人というのは、特有の思考パターンに囚われていることがあります。

その思考パターンというのが、心理学的に言う「回避的コントロール」と呼ばれるものです。

緊張しやすい場面、不安を誘発しやすい場面において、体調が悪くなった時に「気のせい」、「どこも悪くない」と心の中で唱えながら完全否定することってありませんか。これが「回避的コントロール」です。

パニック障害を患う人というのは、なんとかして平然を保ち心を落ち着かせようとしがちですが、これはむしろ自分を見失い、もっと舞い上がってしまうので、パニック発作を誘発させやすいです。

もちろんネガティブな気分をなるべく感じないようにする、気のせいにしようとするというのは誰しも経験があるとは思います。またそういう行為自体は人間が持っている防衛本能のひとつです。

しかしパニック障害を持っている人というのは、なんとかして抑えようという思いが強すぎる面があり、皮肉なことに症状を強めてしまうのです。

予防的な側面で「パニック発作になりそうだ」、「症状が表れそうだ」という時点では、「回避的コントロール」は有効とされています。

でも実際にパニック発作になってしまったら、それを打ち消そうとしても上手くいかないのです。どんどん悪循環にははまってしまうのです。

ではパニックに陥ったらどのような対応をしていけばいいのでしょうか。

植木先生曰く、回避的コントロールをせずに苦しみに身を委ねて、その時の自分の状態を自分で詳しく「ひとり実況中継」をすることを推奨しています。

「ひとり実況中継」とは、例えば頭が痛くなったとしたら「頭が痛いな、こめかみも痛いし」というふうに、一人でブツブツ口に出していくというものです。

言語化することで、いつの間にか身体症状が軽減されて、冷静さを取り戻すことができるのです。

植木先生は臨床心理士でもあるので、実際にクライエントにこの方法を試した結果、パニック発作にかなり有効な対処法であることが分かったそうです。

このやり方自体はパニックそのものをなくすのではなく、パニックは認めつつも上手に付き合っていく方法なので解消法ではありませんが、パニック障害の辛さは日常生活の質を低下させてしまうことにあるので、パニック発作が起きた時の対処法を知っておくことで、少なからず「予期不安」を軽減できるのではないかと思います。

愛着できるものを持つ

番組内で植木先生が仰っていた「ルーティンを決めておくと治る患者が多い」ということについてですが、この話は、愛着と結びつくと思います。

植木先生自身は横になればパニック発作は治ると話していましたが、パニック障害の人にとっては、外出先というのは危険であるという認識を持ちやすく、自分自身の快適な空間を自ら形成しづらい部分があります。

そのため普段当たり前に取っている行動をすることで心を落ち着かせることができると推測できます。

人間は社会性を備えている生き物といっても普段の行動ができないと心理的に圧迫感を覚えやすく、それが緊張や不安を誘発させやすくなっています。

この心理的な圧迫感を解く方法のひとつとして、普段やっている行動を取ることや慣れ親しんだ物を持ち歩くというのは非常に効果的だといわれています。

現にパニック障害を持つ人が身近な物に強い愛着を持っていることがあります。何に愛着を感じるかは人それぞれですが、愛着を示しているものが傍にあるだけで、外出時の恐怖感をその愛着心で抑え込むことができるのです。

今回、パニック障害を克服する方法について、自身もパニック障害を患っていた植木先生のアイデアをご紹介させていただきました。

パニック障害は正しい治療を踏めば早期回復が望め、パニック障害自体は直接死に至る病ではありません。ただし、繰り返し何度も言っているように、当事者の生活の質に関わる問題を含んでいるため軽視はできません。

パニック障害を患った経験がある有名人の方が多くいらっしゃるので、その方々のおかげでパニック障害の認知度は高いと思われますが、もし身近な人がパニック障害になってしまった場合、周りにいる人はどうしたらいいのか分からないところも多いのではないかと思います。

そういった意味でも周りにいる人がパニック発作のメカニズムや解決法を知っておくというのは、従来の間違った根性論で接する機会を減らすことに繋がっていくと思います。

パニック障害を含めて心の病というのは、置かれている環境が回復スピードを左右させるといっても過言ではありません。

当事者が今以上に症状を悪化させないために、また治療に対して前向きに参加してもらうために、支援者にも正しい知識をもって当事者に接してほしいと感じます。

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