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HSPが理解されないのはどうして!?その理由とは

とても敏感な人を指し示す言葉、HSP(Highly Sensitive Person)。

アメリカの心理学者であるElaine N. Aron氏が提唱した概念で、最近では雑誌の特集としても取り上げられることもあり、徐々に知名度を上げているようです。

ところでHSPが持つその気質は「不安障害と密接に関わっているのでは」との見方もあり、不安障害の全体像を理解するうえでも、HSPという概念は見過ごすことができません。

ところがHSPの概念が理解されていない、敏感さは誰しもが感じるものの程度の差に過ぎず、取るに足らないものとして考えられている部分もあります。

ではどうして理解されないのか、今回はその理由について迫ってみたいと思います。

HSPが理解されない理由について

大多数が非HSPである

そもそもHSPである人の割合が少ないことにその理由があります。

割合にして約5人に1人がHSP気質を持ち、残りが非HSP気質ということになります。

大多数ゆえ、HSPが何なのかを知ることもないし、またそういう人にとってみればHSPは未知なものなので、ますます理解を示さなくなるのです。

ところで一昔前までは、うつ病をはじめとした心の病に対して偏見がありました。今でも少なからず偏見はあると思いますが、うつ病が身近になった今、心に何かしらの不調を抱えて心療内科や精神科に通うことに抵抗を感じる人も少なくなってはいると思います。

HSPもまた少数派ゆえの偏見が存在していると感じます。単なる「臆病な人」、「ノミの心臓」、「ガラスのハート」、「打たれ弱い」といった形で周囲から見られてしまうのがその理由です。

しかし敏感で感受性が強いというHSP気質は、その感受性のベクトルを正しい方に向けられることができれば、混沌とした社会でひとつの武器になり得ると思います。

例えば炭鉱のカナリアのように危険をいち早く察知する能力、HSP気質を持っている人に見られる特性ですが、この特性は未開拓地を切り開いていくフロンティア精神を持った人の右腕として十分に活躍できる人材に求められます。

このようにHSP気質は必ずしもマイナス面ばかりではなくプラス面も持っているのです。

多少の敏感さは誰にでもある

敏感であれば全員が全員、HSPなのかという疑問を持つ人もいると思います。

実際、私自身もHSPと自覚するまでは時間がかかりましたし、本当に自分がHSPなのかと疑う時もありました。

世の中には物事に対して鈍感な人もいますが、多少の敏感さは誰しもが持っているものだと思います。

現に、1週間ぐらい光を浴びない生活をしているとその後に光に敏感になることがあります。光の他にも痛みや臭い、音なども同様のことが言えます。

また同じ人でも歳を重ねるごとに敏感になることがあります。

たいていの人は、自分で認める認めないに関わらず敏感な一面を持っており、何かの拍子でその敏感さが露わになることはよくあることなのです。

ただHSP気質というのは生まれ持った気質なので、小さい頃から一貫してその性質が見受けられます。小さい頃、周囲の人が見ても、特に身近に接している親が見ても著しく敏感に反応するような様子を見せていたらHSPである可能性は高くなります。

HSPにも様々なタイプが存在する

HSPが理解されない理由として、HSPには様々なタイプが存在しているということがあります。

HSPという概念が登場するだいぶ前、人の気質は単純に二分化できるものではないですが、内向型と外向型に分けて考えることが多かったのです。今でも内向型と外向型で考えることはよくあります。

HSPに関して言えば、「臆病な人」、「打たれ弱い」という言葉をかけられることを考えると、HSP気質を持っている人というのは内向型に結びつきやすい気質と思われてしまいます。

しかしHSPには内向的HSPと外向的HSPに分類され、また敏感に働く対象が人に対して顕著になるタイプ、現象に対して顕著になるタイプと様々なタイプが存在しています。

「敏感さ」と内向的な人の様子を表す言葉である「人見知り」は混同されることが多いです。ところが「敏感さ」は遺伝することが分かっていますが、「人見知り」は遺伝しません。もう少し具体的に言うと、人見知りするという行動様式そのものは遺伝によるものではなく、周囲の環境がそうさせている可能性が高いということです。

そのためHSP気質の中にも、敏感さを持ちながらも人見知りをしないという外向的な人の存在が一定数(約3割)いるのです。

HSPが表面化することが少ない

子育て関連の著書が多い明橋大二先生曰く、HSP気質を持つ子どもはADHDや自閉スペクトラム症と誤診されているケースがあることを指摘しています。

確かに、HSP気質の子ども(Highly Sensitive Child,略HSC)はADHDや自閉スペクトラム症との表面上の類似点が多いのです。

まずHSCとADHDを比較するとこのようになります。

HSC ADHD
共通
  • 敏感な気質
  • 気が散りやすい
  • 環境の変化に弱い
相違
  • 左脳よりも右脳が活発
  • 慣れた環境ではリラックス可能
  • 気が散るものから意識をそらすことが可能
  • 右脳よりも左脳が活発
  • 慣れた環境でも落ち着きがない
  • 気が散るものから意識をそらすことが難しい

HSCとADHD、両者とも敏感な気質を持ち、環境の変化に弱いことが誤診に繋がっていると分かると思います。

しかしADHDと違ってHSCは慣れた環境下であれば、集中してものごとをやり遂げたり、合理的な意思決定をしたりすることができます。そして何よりも心からリラックスできます。

ただHSCは周りの様々なことに対して気付くので、気が散りやすい傾向にあります。そしてどうしても気が散らないように意識的に働きかけることで多大なるエネルギーを消費していしまい、すぐに疲れてしまう傾向にあります。

ちなみにですが、気質について研究している人々の間では、ADHDの多くは正常な範囲の特性であって、病的なものとして見るべきではないという意見があります。

次にHSCと自閉スペクトラム症を比較するとこのようになります。

HSC 自閉スペクトラム症
共通
  • 感覚的な刺激に敏感
  • 環境の変化に弱い
相違
  • 場の空気や相手の気持ちに敏感
  • コミュニケーションの取り方に多様性がある
  • 場の空気や相手の気持ちに敏感ではない
  • コミュニケーションの取り方に独自性がある

自閉スペクトラム症とHSCでは、コミュニケーションの取り方に大きな違いが見られます。自閉スペクトラム症の人は、人の話を聞くこと、話すタイミングをはかる、婉曲な言葉の受け取り方などが難しいですが、一方でHSCではそんなことはありません。

そして最大の相違点は、自閉スペクトラム症の人は場の空気や相手の気持ちに対して敏感とはいえず、その反面、HSCはそういったものに対して敏感すぎるほど敏感です。

HSCは自閉スペクトラム症の軽症に含まれるのではないかという意見もありますが、このように相違点がはっきりしているので明確に区別ができるはずです。

HSPの診断基準が曖昧

現状、自分自身がHSPかどうかを確認する方法については、提唱者であるElaine N. Aron氏が提供するテストをやって自己判断するというのが大半です。

ただこれだけでは「本当にそうなのか」と客観的に見て信憑性に乏しくなってしまいます。これがHSPが理解されない背景にあります。

HSP気質というのは生まれ持ったものなので、幼少期の頃からその特徴を見せています。そのため本来であれば、自分の両親に以下のようなことを尋ねてみるべきなのではないかと思います。

  • すぐにびっくりしていた(仰天していた)
  • 人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づいていた
  • 他人の気分に左右されていた
  • 豊かな想像力を持ち、空想にふけっていた
  • 生活に変化があると混乱していた
  • 刺激を避けるような生活スタイルを送っていた

Elaine N. Aron氏も両親に質問してみることを推奨しています。客観的な証明ができてくると、HSPの信憑性も高まってくると思います。

HSPは医学的な診断名ではありませんし、もちろん病気ではありません。

そのため先ほども言いましたが、HSPかどうかを判断するのは自己診断次第になってしまうことが多いです。

人によって捉え方が違うため、HSPは特殊能力みたいな感じで書かれている記事もありますが、私個人の見解ではあんまりそう思っていません。

どちらかというとHSPゆえに生きづらさを感じているので、こんな気質はない方がいいのではないかと思うこともしばしばです。

ただ生物学的に見れば、HSPという気質が現代まで引き継がれてきたということは、そういう気質を持った人間が必要不可欠であることを示しているのではないでしょうか。

しかしながら現代社会においては、HSPという気質を持っているがゆえに生きづらさを感じている面が強いのではないかと思います。

気質というのはどう頑張っても変えることはできません。よく性格は変えられるという言葉を聞きますが、それは気質の上に可変可能な性格の一部がのっている形なので、その部分を指し示して性格は変えられると言っているに過ぎません。

HSPという気質はまだ理解されてない部分が多いです。でもどう活かすかはその人次第でもあります。

HSPを自認している人はもう一度自分の気質や性格を分析し、また今回初めてHSPを知った人は世の中にはそういう人もいるんだということを理解してほしいと思います。

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