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会食恐怖と嘔吐恐怖症の違いは!?症状、原因の違いを分かりやすく

皆さんは外で誰かと一緒にご飯を食べることは好きですか。おそらく大半の人が好きと答えるのではないかと思います。

外での食事というのは今まで食べたことのない新しい料理に出会ったり、会食を通じてコミュニケーションをはかったりできる大切な役割を果たします。

しかしその一方で、心の病が元になって誰かと一緒に外で食事することが困難になってしまう人もこの世には存在します。

その原因として多くみられるのが社交不安障害のひとつである会食恐怖と限局性恐怖症のひとつである嘔吐恐怖症というものです。

ところがこの二つは結果としては外食を困難にさせますが、その恐怖対象には明らかな違いがあるのです。

会食恐怖とは

簡単に会食恐怖(または会食恐怖症)を説明すると、外食先で食事している姿を誰かに見られることが苦痛、出された料理を残してはいけないという極端な思考から、見ず知らずの人が一堂に会するような場所で食事をすることが困難になってしまう心の病です。

会食恐怖の症状は人によって様々ですが、急な吐き気や下腹部の不快感、胃のムカムカ感、箸やフォークを持つ手の震えが見受けられます。

どうして急な吐き気や手の震えなどが起こるのかというと、これは交感神経の働きによるもので、不安や恐怖に対して身体が危機を感じている証拠なのです。

そして結果的に、繰り返し起こる吐き気であったり、手の震えだったり、そういった不都合な身体の反応によって、周囲の視線やその場の雰囲気から食事をすることが困難になってしまい、人が集まるような公共スペースでの食事を避けてしまうという回避行動に繋がっていくのです。

会食恐怖に陥ってしまう背景には、その原因となるエピソードや体験が存在します。とりわけ会食恐怖を持つ人がその原因としてしきりに話すことと言えば学校給食です。

担任の先生によっては給食を残すこと自体良しとせず、全部食べるまで居残りさせたり、食べるのが遅いという理由で叱られたり、嫌いなものを無理やり食べさせられたりと、給食に対してあまりいいイメージを持つことが出来なかったということがあります。

最近では、食物アレルギーが当たり前になってきていることもあり、給食で無理に食べさせるということはあまりないと思いますが、それでも給食は残してはいけないものと教えられ、そのことに対して素直に従ってきた人ほど食べ物を残すことに罪悪感を覚えてしまい、自分で自分にプレッシャーを与えてしまうことで食事がトラウマになってしまっているのではないでしょうか。

その結果、食べる時は常に残してはいけない、早く食べなければいけない、いっぱい食べなければいけないなど、いわゆる”べき思考”に陥ってしまい、食事をする機会において緊張やプレッシャーから吐き気や身体の震えが起こり、会食恐怖になっていくのです。

もちろん給食以外にも、両親が共働きで食事はいつも一人、そのような家庭環境で育った人が初めて家族以外の人と一緒に食事をしたときに、自分の食べ方が汚いと感じたり、あるいは食事のマナーを指摘されたりすることで、食事する姿を誰かに見られたくないという思いが芽生えます。

そしてそれがきっかけとなり、自分の食べ方を過度に気にしすぎて他の人と一緒に食事することが辛くなってしまうのです。

嘔吐恐怖症とは

女優の仲里依紗さんが嘔吐恐怖症に苦しんだことをSNSで告白しており、仕事にも大きく影響する厄介な心の病です。

簡単に嘔吐恐怖症を説明すると、自分が嘔吐すること、あるいは人が嘔吐することなど、吐くという行為に対して恐怖や不安を感じてしまい、嘔吐してしまう可能性があるような場所、例えばバスや電車などの乗り物、病院、レストランなどに行くことが困難になってしまうというものです。

また嘔吐以外にも、吐いたものを連想させるような、ドロっとしたものやネバネバしたものに恐怖を感じることもあります。

嘔吐恐怖症の原因について、その原因については様々あると思いますが、嘔吐恐怖症は限局性恐怖症のひとつなので、嘔吐することが恐怖と結びついてしまった何かしらのエピソードや体験が存在しています。

限局性恐怖症とは特定の対象または状況に対して著しい恐怖と不安を感じることで、日常生活や社会活動が困難になってしまう心の病気。限局性恐怖症を引き起こす対象または状況として生き物(例:クモ、蛇など)、自然環境(高所、嵐など)、状況(暗所、閉所など)、物体(針、血液など)が挙げられる。

例えば、誰かが嘔吐している姿があまりにも強く印象に残ってしまい、それが原因となって嘔吐している姿に恐怖心を感じるようになったケース、吐しゃ物を処理した際にノロウイルスなどの感染症にかかって辛い経験をしたことが過去にあり、それ以来、吐しゃ物を見るたびにその当時の辛さが想起され、もう一度感染するんじゃないかという不安に駆られるケースなどがあります。

どのようなケースにおいても、嘔吐や吐しゃ物そのものが恐怖や不安を引き起こすものになっているということです。また見方によっては、吐しゃ物に対して不潔であるという強い強迫観念が存在している場合もあるでしょう。

そして結果的に、”吐いてしまったらどうしよう”という不安が強くわき上がってきて、嘔吐するかもしれない場所を避けたり、嘔吐しないようにたくさん食べることを避けたりすることに結びついてしまい、日常生活あるいは社会活動において支障が出てくるのです。

会食恐怖と嘔吐恐怖症の違いを理解する

会食恐怖も嘔吐恐怖症もどちらも外食することを困難にさせるものです。しかし両者をよく知ると、そもそもの原因が異なっていることに気がつくでしょう。

会食恐怖であれば、食べる時は常に残してはいけない、早く食べなければいけないなど、いわゆる”べき思考”に陥ってしまうことがひとつの原因としてあり、嘔吐恐怖症であれば、嘔吐している姿に対する恐怖心がひとつの原因としてあります。

また会食恐怖を抱えている人の中には、自分や他の人が嘔吐することに対してそれほど恐怖心を持っておらず、むしろ外食した際の、出された食事を残さず食べられるのか、万が一残した時に、誰かから指摘されて恥ずかしい思いをするのではないかということに対する恐怖や不安があるのです。

その一方で、嘔吐恐怖症は出された食事を残すことよりも、むしろ”嘔吐してしまうのではないか”ということに対して強い恐怖や不安を感じています。

何に対して恐怖や不安を感じ、その恐怖や不安を感じてしまう背景には何があるのか、それぞれに違いが見られるのであれば対処法や改善法というのは異なってきます。

例えばですが、会食恐怖を改善していく為の方法として曝露療法(またはエクスポージャー法)という心理療法があります。

この曝露療法は、不安となっている場面や機会を回避するのではなく、あえて実際にレストランやカフェなどに行き、徐々に不安や恐怖に対する免疫力や許容力というのをつけていくやり方で、段階的に恐怖を感じさせることが重要になります。

しかし嘔吐恐怖症の場合、嘔吐するシチュエーションや吐しゃ物に遭遇する状況を作り出すというのが容易なことではなく、段階的に恐怖を感じさせることが難しいため、いくら曝露療法だからといって、レストランやカフェなどの外食先に繰り返し足を運んでも、あまり効果が期待できないのです。

外食先であろうが自宅であろうが、嘔吐恐怖症の恐怖対象は”吐くこと”や”吐しゃ物”であり、”食事を残すこと”や”食事姿を見られること”ではないからです。

そのため嘔吐恐怖症を患っている人は漢方薬などのお薬を利用して、吐き気自体を起こりにくくし、食べても吐き気を感じないという安心感を得ることで、心に幾分の余裕を感じることが重要だと言えます。

そして根本的に言えば、”吐くこと”に対して陥ってしまう悪循環が症状を重くしてしまっているので、この悪循環を断つように、”吐くこと”に対する許容力を身につけていくことが必要になっていきます。

今回、会食恐怖と嘔吐恐怖症の違いについて見ていきました。

当事者の中には、会食恐怖もあれば嘔吐恐怖症もあるタイプの方、あるいはどちらか一方を持っているタイプの方が存在します。

また嘔吐恐怖症になってしまったせいで会食恐怖になってしまったケース、その反対のケースもあると思います。

食べるという行為は生きる為に必要不可欠であり、それにまつわる病というのは心への負担が計り知れません。

当たり前のように食べることができる人にとってみれば、会食恐怖も嘔吐恐怖症も似たようなものと思うかもしれませんが、当事者視点で見れば大きな違いが見てとれるのです。

心の病を生む背景に潜む原因を正しく理解し、そしてその違いを適切に捉えることによって、改善する為のプロセスを構築するのに役立ちますし、周りにいる人もどう接すればいいのか分かりやすくなります。

また当事者の人も適切な治療法を選択しやすくなることで、治療するうえで身体にかかる負担を軽減することもできます。

会食恐怖も嘔吐恐怖症も、どちらも恐怖対象が明らかになっていることが多いです。ひいてはその恐怖対象を当事者自身が理解し一歩を踏み出すことで、状況は徐々に変わっていくと思います。

変化の過程で色々な葛藤があるかもしれませんが、症状が良くなることを信じて治療に努めてほしいと思います。

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