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会食恐怖を克服するための5つの手順と3つの考え方について

会食恐怖というのは、レストランやカフェなどで食事する姿を誰かに見られることが苦痛であったり、出された料理を残してはいけないという考えから過剰に緊張してしまい料理が食べられなくなったりする精神的な病気です。

会食恐怖を自覚している人の多くが誰かと一緒に食べること、外食しなければいけない状況で急な吐き気や下腹部の圧迫感、発汗や過呼吸などの症状に襲われ、そうした身体症状が表れてしまうゆえ会食する機会を自ら避けてしまい、人知れず葛藤や悩みを抱えています。

人は不安や恐怖に直面した時、その不安や恐怖に対して逃走か闘争の選択をします。仮に不安や恐怖に対して「逃げる」という選択肢を取っても人間の本能的には自然の行動なので、それ自体に特別問題があるわけではありません。

しかし会食恐怖は社交不安障害(社交不安症)のひとつの症状として考えられることも多く、こと社交不安障害に関しては何もせず時間とともに自然回復していくということは稀なので、お薬を服用したり、心理療法に取り組んだりする必要があります。

そしてお薬を服用する場合でも心理療法を行う場合でも、その過程において実際に行動して不安や恐怖に対する許容を広げていかなければいけません。

そこで今回は会食恐怖を改善するための具体的な方法について、認知行動療法のプログラムでもある曝露療法をベースにその手順をご紹介していきます。

紹介する方法はあくまでも社交不安障害として会食恐怖の症状が見られるケースを想定しています。

会食恐怖の症状は社交不安障害にも強迫性障害や身体表現性障害、その他の不安障害でも見られるものであり、必ずしもここで紹介したやり方が通じるというわけではなく、各々の背景をしっかり把握する必要があります。

また会食恐怖の症状も軽度から重度のものがあります。長年患ってきたのであれば改善の進行状況が遅くなることも十分に考えられます。その場合、根気よく続けていくことで症状の改善が実感できるようになっていくと思います。

5つの手順について

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会食恐怖を理解してくれる人を見つける

まずはじめに、会食恐怖を自覚している人間がいきなり会食の場に身を置いてしまうと、身体症状が悪化する可能性があるのであらかじめ準備が必要になります。

その準備というのは何でしょう。

それは会食恐怖を理解してくれる理解者を持つことです。理解者を持つことによって、その理解者が当事者にとって安心基地的な存在になります。

理解者になりやすい人は家族、友人、恋人などいますが、万が一理解者がいない、なりうる可能性の人がいないということであればSNSを通じて呼び掛けるというもの手です。

SNSの世界と言うのは、自分自身が思っている以上に広い世界です。だからこそ理解を示し協力してくれる人が現れますし、そういう方を集って一緒に改善していくという試みはありだと思います。

当事者の中には「こんな症状は理解されないから打ち明けられない」と思っている人も意外に多くいます。

また、症状を隠そうという意識が働いていることで余計に症状を強めてしまうこともあります。そうならないための方法のひとつとして、身近で理解してくれる人を確保することが求められるのです。

場の雰囲気を感じる

理解者を確保して次に行うことは外食先の場の雰囲気を感じることです。この時点ではまだ食事をする必要はありません。

会食恐怖を抱える人というのは外で食事をすることに不安や恐怖を感じすぎていて周りの様子が見えていないことが多いです。

しばしば見られる状態に、自宅で家族と食事をする時は何の変哲も無くご飯を美味しく食べられるのに、いざ外食となると、たとえ家族が一緒であっても全くご飯が食べられないというケースがありますが、これは外食先の雰囲気に圧倒されてしまう、普段通りのシチュエーションではないからだと推測できます。

そして会食恐怖を感じている人が「自分の食事姿を他人から見られるのが辛い」と感じてしまうのも、自身がそのように感じてしまっているだけであって、思いのほか周りの人は自分のことをそこまで見ていない可能性があり、正しくモノゴトを捉えるためにも、一度周囲の様子をよく見るという行動が求められるのです。

そこで食事を取らなくてもいいので、理解者と一緒に外食先に行ってみて、実際にその場の雰囲気や様子を感じ取ってください。ドリンクだけでもいいですし、テイクアウトという注文のやり方もあります。

その場の雰囲気や様子を感じるくらいなら一人でもいいのかもしれませんが、会食恐怖の症状が強い人はお店に入ろうとした段階で何かしらの身体症状が表れてしまうため、万が一症状が出ても理解者がいることで最悪の事態は免れますし、また恐怖を感じる状況に挑戦していることを理解者は知っていますので、心に幾分の余裕を持って臨むことができると思います。

食事をする場所は個室もしくはトイレから近い席を確保する

会食恐怖の背景には、「他人からどのように見られているか」という思考が強すぎることにあります。そういう考えに陥らないためにもカウンターやオープンスタイルの場所よりも、仕切りがしっかりされている個室で食事を取ることが克服のための訓練には望ましいです。

また万が一を想定して、急な吐き気や下腹部の不快感に対応できるようにトイレから近い場所を選択したほうがいいと言えます。

もちろん必ずしも仕切りのある場所で食事ができるわけではないと思います。その場合は一緒に行く人に予約をしてもらったり、あるいは自分でしたりして、できる限り訓練が円滑に進むよう環境づくりが大切になってきます。

私の経験談ではありますが、個室やトイレから近い席を選ぶことで心に少し余裕が生まれ、安心感を得られやすくなりました。そしてその後の食事も吐き気に襲われることなく、食事を楽しむことができました。

人が少ない時間帯を利用して注文してみる

いきなり人が多い時間帯を利用すると、店内に入った時に不安や恐怖を感じやすくなってしまいます。もし何か注文する予定でお店に入るのであれば、限りなく人が少ない時間帯を選びましょう。

人が少ない時間帯であれば人から見られている感覚も最低限に抑えられますし、慌ただしさも感じにくいと思いますので自分のペースで取り組むことができると思います。

そして注文もしっかりとした食事よりも飲み物を選んで、理解者と一緒に会話などを楽しむことで、外で食事をすることに対してポジティブなイメージを持てるように意識づけていきましょう。

食事はなるべくシェアできる物を選ぶ

会食恐怖を改善するためには実際に外食先で食事をしなければいけません。また外での食事に対して恐怖を感じてしまっている以上、その恐怖の壁を乗り越えなければ改善の兆しはありません。そのことは当事者も自覚していることでしょう。

しかしながら実際に恐怖を前にして行動に移すというのはものすごく勇気がいることで、また理論通りにはいかないことが往々にしてあります。

そこで少しでも恐怖感情を減らし安心感を増やすことで、行動に移すハードルが低くなり乗り越えやすくなると思います。

会食恐怖を抱える人が考える思考として代表的なものに、「出された料理を残してはいけない」というものがあります。そしてこの思考が会食恐怖における回避行動を強くしています。いわば高いハードルになっているということです。

今までの思考をすぐに変えることは容易なことではありませんが、そういった部分を持ちながらも会食恐怖を改善していくための行動をしていかない限りは改善は遠のいてしまいます。

そこで高いハードルにしてしまっている状況を少しでも低くする策として、食事はなるべくシェアできる物にするということが考えられます。

会食恐怖を抱えている人の中には、同じテーブルに座って同じ分量の食事をとることに対して著しい恐怖を感じることがあります。その理由としては、食べていないことが一緒にいる相手に伝わってしまうからです。

この他にも定食のような食事スタイル、高級レストランのコース料理、限られた時間の中で食べないといけない給食のような食事形式も辛く感じてしまいます。

しかし食べ物をシェアする形であれば、自分がどのくらいの量を食べたのか周囲の人には分かりづらく、また自分が全てを食べる必要はないので、その分、残すことへの心配や食べてもらうことへの申し訳なさというのが少なくなります。

3つの考え方について

解釈を変える

少しずつ行動を起こしていく中で、同時にモノゴトの捉え方や見方というのも少しずつ変えていく必要があります。

例えば、会食恐怖を抱えている人によく見られる思考として、出されたものを全部食べなければいけない、食事を残したら相手に申し訳ないという考え方が見受けられます。

「~しなければいけない」、「~すべき」という考え方は自分を律するために必要な考え方であるものの、行き過ぎてしまうと自分の行動を極端に狭めてしまい、結果何もできなくなってしまいます。

さらに申し訳なさや罪悪感を持つことは、人間社会で生きていくためには大切な気持ちではあるものの、他人の気持ちを推し量りすぎて、誤った解釈をしては元も子もありません。

つまり会食恐怖を持っている人というのは道徳的で他者配慮ができる人、その場の空気を察し乱さないようにする人など相手から好意的に捉えられやすい人柄を持っている一方で、相手を思いやるあまり自分の気持ちを抑圧している人でもあるのです。

各々でモノゴトの捉え方というのは違っているので、「食事を残すこと」にどうしても抵抗がある人がいても不思議ではありません。

しかし時には、体調が優れず食事を残してしまうこともあるわけです。食べ物にアレルギーがあって食べられないことだってあるのです。

克服する過程において今までとは違う視点でモノゴトを捉えるようにするということも併せて目標にすることで、より改善がしやすくなると思います。

自分を責めすぎない

他人と一緒に食事ができない、外食ができないという状況から、これまで食事に誘われたときに仕方なく断ってきた人も多いと思います。

その結果、周囲からは「自分勝手」、「付き合いが悪い」という印象に映ってしまい、本当の自分を理解してもらえていない辛さから自己嫌悪に陥ることもあります。

そのような時、自分を責めすぎないようにしなければいけません。

食欲というのは誰にでもあります。だからこそ他人と一緒に食事をすることが怖いというのは、どうしても理解が得られにくいものです。

しかし現実には他人と一緒に食事をすることが怖いという人は存在していますし、「会食恐怖」ということでその存在は専門家の間でも確認されています。

自分を責め続けている間は、症状は改善しにくく場合によってはより一層症状を強めてしまう可能性があります。

必要以上に自分を責め続けるのはやめにして、自分を受け入れる、自分を許す、自分を褒めるということを意識していくことが求められるでしょう。

「治ること」を信じる

「このまま永遠に外食ができない」、「ずっと他人と一緒に食事ができない」と思い込みすぎてしまうと、その思い込みが心に大きな負担となって、ますます症状の改善が遅くなってしまいます。

会食恐怖は自然に回復しにくいものではありますが、訓練を行うことで症状が緩和され、たとえ会食の場でも恐怖を感じにくくなります。

治療の効果を最大限にするためにも、絶望感に打ちひしがれた気持ちではなく、前向きに「治ること」を信じて治療を取り組むことが必要になります。

克服するための5つの手順としては、①会食恐怖を理解してくれる人を見つける、②場の雰囲気を感じる、③食事をする場所は個室もしくはトイレから近い席の確保する、④人が少ない時間帯を利用して注文してみる、⑤食事はなるべくシェアできる物を選ぶ、①→②→③→④→⑤という具合で、段階的に行動していき、不安や恐怖に対する許容を広げていかなければいけません。

またその際に、解釈を変える、自分を責めすぎない、「治ること」を信じるという考え方を持って取り組むことで、より訓練の効果が表れやすくなります。

結果的に、外で食事をすること、他人と一緒に食事をすることに抵抗がないまでの心理状態になれば、以前の様子とは見違えるものになっていくと思います。

また「食事が出来た」という成功体験は、それこそ大きな自信となり次の行動に対するモチベーションになっていきます。

会食恐怖は社交不安障害のひとつでもあるため、人に対する過剰すぎるほどの恐怖心が邪魔をして、会食恐怖を改善するためのファーストステップである理解者を得ることに最も苦労するかもしれません。

さらに会食恐怖に対する一般的な見方も、高所恐怖症や閉所恐怖症などのよく知られている恐怖と比べてまだまだ認知度が低く、理解しがたい恐怖でもあります。

しかし自分から自己開示していくことによって理解を示し協力してくれる人は必ず存在します。そのことは心に留めておいてほしいと思います。

そして最終的には会食恐怖を克服して、心から食事を楽しめる人が増えることを切に願います。

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