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強迫性障害における家族の接し方について

強迫性障害に見られる強迫観念や強迫行為は、その症状が深刻であればあるほど、強迫性障害を患っている人だけではなく、家族にも悪影響を及ぼしてしまうことがあります。

当事者が家族を巻き込んでしまうことで、家族にもストレスがかかり、家族間でのトラブルが起こってしまえば本人の症状が良くなるどころか悪くなる一方です。

そのため、家族側には強迫性障害についての理解、本人に対する接し方というのが重要になってくるのです。

家族への巻き込みとは何か

例えば、強迫性障害のひとつに洗浄強迫(不潔強迫)というものがあります。

洗浄強迫(不潔強迫)とは不潔だと思うものを触ることで自分自身の身体にその汚れがついたことを過剰に考えてしまい、その汚れを払しょくするために何度も何度も洗浄を繰り返すというものです。

この洗浄強迫が強く表れてしまうと、時には家族にさえも本人のルールを押し付けてしまいます。

特に強迫性障害に関する知識がない前提だと、家族からは度が強い潔癖症だと勘違いされてしまい、家族間でのトラブルにより双方にストレスがかかってしまいます。

今回の例は洗浄強迫でしたが、その他にも確認行動や対称性を求める行動なども強迫性障害の症状として見受けられますので、本人はしてはいけないと思いつつも、家族に同じような行動を求めてしまう巻き込みが起こる可能性を頭に入れておかなければいけないでしょう。

家族は強迫性障害の知識を身につける

家族への巻き込みを防ぐ為にも、当事者の一番近くにいるであろう家族が強迫性障害について、どういったメカニズムで起こるのか、どのような症状が起こるのか把握することが大切です。

実は本人が強迫性障害を認識していない可能性もあるので、周囲が病気を理解するというのは治療を円滑に進める為にも重要なことなのです。

強迫性障害については研究も進み、そのメカニズムについても分かりつつあります。

先ほどの洗浄強迫について言えば、強迫性障害の当事者の頭の中では、防衛反応の過剰さから自分のテリトリーが侵食されるようなことに警戒し、理性を司る領域よりも脅威を司る領域が活発化し、外部からくる汚れや病原菌などが自分の領域に侵入されないために、反復的に強迫行為が続くと考えられています。

また強迫性障害は、自己免疫因子が関与している可能性も示唆されています。

通称PANDAS(Pediatric autoimmune neuropsychiatric disorder assoiciated with streprtococcal infections)、日本語では小児自己免疫性溶連菌感染関連性精神神経障害と訳される、溶連菌の感染による自己免疫疾患ですが、溶連菌感染によって強迫性障害の症状を呈することがあります。

実際にPANDASと診断された子どもの中には、正常範囲を超えた手洗いを繰り返したり、母親に何回も確認を求めたりする行動が見受けられています。

もしPANDASという疾患であれば、原因がはっきりしているので対応も取りやすくなります。

かつて強迫性障害は心因的要因が全てだと言われていましたが、医学の進歩により、その他の要因も十分にあるということが分かっているのです。

当事者と家族の領域をはっきりさせる

強迫性障害の当事者は自分のテリトリーにこだわりを持ちやすく、その領域が広がることで家族にも悪影響を及ぼし、また本人の症状も悪化してしまうので、両者の間に境界線を予め設けることが必要です。

強迫性障害を抱えている人が全てではありませんが、家族が生活圏を脅かすような存在に映ってしまうと、家族間の会話自体も困難になってしまい双方にとってもマイナス要因にしかなりません。

そのため当事者と家族の間にしっかりとした境目を設けて、まずは双方の生活圏を守るようにします。

その上で、本人にどのような症状で困っているのか、必要な援助は何かを話し合うことで、適切な治療に結びつけることができます。

もちろん症状の程度によっては家族だけでは対応が難しい場合もあります。その場合は、各都道府県にある精神保健福祉センターを介して、専門家や支援サービスの人に関わってもらうというのもひとつの手です。

家族の巻き込みを防ぐためにも、しっかりとした線引きが求められるでしょう。

強迫性障害を抱えた人による家族の巻き込みというのは一朝一夕に解決できるものではなく、それゆえ巻き込まれないように予防策を講じることが大切になると思います。

強迫性障害の症状としても、不安や恐怖を払しょくするというよりも嫌悪感を消したい衝動が強いこともあり、強迫行為が衝動的になってしまうことで周りにもストレスを与えてしまいます。

本人が病気を受け入れ、自分で少しずつ症状を改善しようと前向きな取り組みを重ねていくことで、家族の協力も得られやすく、また症状が改善していく過程で、当事者と支援者の双方が同じ方向に足並みを揃えていかなければいけません。

そのためにも強迫性障害で見られる家族の巻き込みが起こらないように、そして円滑に治療が進むように家族の接し方について考える必要があるでしょう。

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