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【まとめ】強迫性障害に分類される強迫症状一覧

強迫性障害は、本来であれば思う必要がないのに必要以上に思ってしまう強迫観念とそれを打ち消そうとする強迫行為から成り立っており、強迫行為が酷いと普段の生活や仕事・学業にまで悪影響を及ぼしてしまいます。

本人も強迫行為をやめたいと思っていても、わきおこる強迫観念があるため簡単にやめることができず、時には周囲も巻き込んで悪い方に行ってしまうこともあります。

もちろん強迫性障害というのは、本人の「治したい」という強い意志が必要不可欠ですが、一人で治療に臨むというのは思いの外難しく、周囲の支えが時には重要になってきます。

ただ周囲の人も、当事者が「どういった思考に陥ってどのような症状が表れるのか」を理解しないと支えたくても支えられない現状があると思います。

ということで今回は、強迫性障害に見られる強迫症状をまとめてみました。

もちろんここに掲載されているものが全てというわけではありません。比較的よく見られるものを中心に掲載しています。

強迫症状一覧

強迫症状を見ていく前に、強迫観念と強迫行為はどういうものなのか、どういった定義づけをされているのかを確認したいと思います。

  • 強迫観念は以下の1と2によって定義される
      • 繰り返される持続的な思考,衝動またはイメージで,それは障害中の一時期には侵入的で不適切なものとして体験されており,たいていの人においてはそれは強い不安や苦痛の原因となる
      • その人はその思考,衝動またはイメージを無視したり,抑え込もうとしたり,また何か他の思考や行動によって中和しようと試みる
  • 強迫行為は以下の1と2によって定義される
      • 繰り返しの行動(例:手を洗う,順番に並べる,確認する)または心の中の行為(例:祈る,数える,声に出さずに言葉を繰り返す)であり,その人は強迫観念に対応して,また厳密に適用しなくてはいけないある決まりに従ってそれらの行為を行うよう駆り立てられているように感じる
      • その行動または心の中の行為は,不安または苦痛を避けるかまたは緩和すること,または何か恐ろしい出来事や状況を避けることを目的としている。しかしその行動または心の中の行為は,それによって中和したり予防したりしようとしていることとは現実的な意味ではつながりを持たず,または明らかに過剰である

    -American Psychiatric Association(高橋三郎、大野裕、染矢俊幸ほか訳)『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』医学書院より引用-

    強迫性障害の症状には強迫観念と強迫行為があり、これらがセットになって日常生活に悪影響を及ぼしている状態です。またこれから列挙する症状に見られる「○○恐怖」というのは、高所恐怖症や先端恐怖症のように特定のモノに対する著しい恐怖とは違って、自分の中に入ってくるような強い侵入性が確認されています。

    それゆえ「自分の行為に間違いはなかったのか」という疑惑が付きまとい、物事の原因や根拠に対して「徹底的に調べなければいけない」、「問題を払しょくしなければいけない」という思考に陥り、強迫行為へと繋がっていきます。

    少々ややこしいものではありますが、強迫症状における「○○恐怖」というのは、ある特定の事象に対する恐怖を示す限局性恐怖症とはまた違うことを理解した前提で強迫性障害を見ていかなければいけません。

    不潔恐怖

    不潔恐怖の恐怖対象になっているのは「汚染」です。そして不潔恐怖という観念があるため不潔強迫(洗浄強迫)に陥ってしまいます。

    潔癖症という言葉を知っている人も多いと思いますが、不潔恐怖ではそれ以上の行動を取ります。誰もが利用する公共施設が使えないことはもちろんのこと、家に帰ってからの手洗い行動も過剰で、必要以上に時間を費やしたり、周りにいる人に対しても執拗に洗浄を求めてしまったりします。

    比較的多くの強迫性障害の人が不潔恐怖を抱えていることもあって、強迫性障害の代表例として挙げられる恐怖の一つでもあります。

    加害恐怖

    加害恐怖の恐怖対象になっているのは「他者に対する危害」です。

    例えば車を運転していて、「小さな衝撃でも人を引いてしまったのではないか」と不安に感じたり、「自分の不手際で物を傷つけてしまうのではないか」とレンタル品を借りることができなかったりします。

    しばしば加害恐怖は強迫行為の一種である確認行動と結びつくことが多く、車を運転している最中に、「もしかして人を引いてしまったのではないか」という不安を払しょくするために、来た道を戻って確認したり、繰り返し同じ道を回ったりして、最終的には車に乗ることさえもままならなくなってしまうケースがあります。

    平成27年度版の『犯罪白書』によりますと、ひき逃げ事件は平成17年から減少傾向にありますが、それでも1万件近くの被害が起こっています。車は「走る凶器」とも言われ、一歩間違えれば相手を死に追いやってしまう可能性があります。そのためドライバーに対する責任や自覚が常に求められていますが、見方を変えれば加害恐怖というのはドライバーに求められている資質のひとつが過剰に表れてしまっていると言えるのではないでしょうか。

    ただ加害恐怖が原因で車が運転できず、通勤に支障が出たり買い物が不便になってしまうため、適切な治療介入が必要だと言えます。

    被害恐怖

    被害恐怖の恐怖対象になっているのは「自分への危害」です。

    「誰かから傷つけられてしまう」という恐怖がわき起こり、その恐怖を打ち消すために様々な強迫行為が表れることがあります。

    また被害恐怖の場合、自分で自分を傷つけてしまうことに対する恐怖を持っていることもあります。そのため自分を傷つけてしまうきっかけとなる刃物や鈍器に触ることができなかったり、目の届かない場所に隠したりすることがあります。

    被害妄想とは違い、「もしかしたら被害に遭っているかもしれない」という確信度が低いというのも特徴的です。

    疾病恐怖

    疾病恐怖の恐怖対象になっているのは「病気」です。

    「自分が何か深刻な病気にかかっているのではないか」という恐怖から必要以上に診察や検査を受けたり、医師に繰り返し意見を求めたりするのが特徴です。

    感染に対する恐怖もあるので不潔恐怖と重なる部分もありますが、不潔恐怖の方は汚染という意味合いが強く、そのために必要以上な洗浄行為が見受けられ、一方で疾病恐怖は病気そのものなので、必要以上に病気に対する恐れがあって、その恐れを払しょくするために複数の病院を受診するといった行動が見受けられます。

    不完全恐怖

    不完全恐怖の恐怖対象になっているのは「非統一性」です。

    本人の中でルールが存在し、決まった手順、決まった並び方でなければならず、そのために何度も繰り返したり、途中で間違うと最初からやり直したりするのが特徴です。物事に統一性が取れていないことに不安を感じることもあって、特定の場所にモノが無いと狼狽して自分を見失ってしまうことがあります。

    多少なりとも自分の中にルールがあってそれに則って行動する人も多いと思いますが、この不完全恐怖はあくまでも恐怖感情に基づいた行動なので、傍から見ても度が過ぎていて明らかに日常生活を送るうえで支障になっています。

    縁起恐怖

    縁起恐怖の恐怖対象になっているのは「縁起の悪さ」です。

    大事なことに挑戦する前に良い結果に結びつくよう験を担ぐ人も多いのではないでしょうか。例えば、試合にいつも同じ下着をはいたり、夕食にかつ丼を食べたり、人それぞれの験の担ぎ方があるでしょう。

    しかしその反対に、ある特定のことをやると上手くいかない悪いジンクスを経験したことのある人もいると思います。

    強迫症状に見られる縁起恐怖というのは、縁起に関する対象範囲が広がってしまい、日常生活の様々な場面において「自分自身が縁起の悪いことをしてしまうのではないか」という恐怖に陥ってしまうのが特徴です。

    具体的には、4や9といった縁起の悪い数字に反応し何をするにしてもその数字の値や回数になることを避けるようになります。そして段々と生活に支障をきたすようになってしまうのです。

    縁起恐怖の背景には、神仏的なこと、宗教的なことに対する過剰な依存心も見受けられ、また文化によっても何を縁起物とするかが違うので、その対象は多岐にわたります。

    大半の強迫性障害の人は、自分自身の中にある強迫観念について不合理であることを自覚しています。

    限局性恐怖症と同様、強迫性障害に見られる恐怖対象は多岐に渡り10人いれば10通りの強迫症状があることでしょう。

    それゆえ周囲から見れば不可思議な行動に映ってしまい理解しにくいかもしれません。またそれは当事者側も似たような気持ちを抱いており、やめられない行動について周囲に話した時に、「真面目に受け取ってもらえないのではないか」という思いがあって相談をためらっていることがあります。

    強迫性障害は症状が深刻化していけば、周囲を巻き込み家族間のトラブルに発展していくケースも少なくありません。

    症状が改善していくためにも早期の治療介入が必要不可欠です。その際、相談できる環境があるかどうかというのは大きなターニングポイントになります。強迫症状を理解するためにも、ここに掲載した恐怖や特有の行動が参考になればと思います。

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