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強迫性障害とはどんな病気!?症状、原因、治療法について

日常生活を送っていると、普段の何気ない生活で時々不安に感じる瞬間ってありませんか。

例えば、相手と約束した時間にもかかわらず相手がなかなか表れなくて時間を間違えたのかもしれないと不安になったり、近所で空き巣のニュースがあって、自分の家の戸締りをしっかりしてきたのか心配になったり、などなど。

例えを挙げればきりがありませんが、しかし私たちはふとした瞬間、あれっ??どうだったっけと物事が気になってしまうことがあります。

ただ、そのことが頭から離れなくなったり、その気持ちを払拭するために同じような行動を繰り返し行ってしまうと、次第に日常生活にまで支障が出てきてしまうことがあります。

そして日常生活を円滑に送れない状態まで深刻化し医療的な治療が必要になっている状態、それが強迫性障害というものです。

今回は、強迫性障害について、はじめての人にも分かるように具体的に見ていきます。

強迫性障害とは何か

強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder, 略語OCD)とは、強迫観念と強迫行為が進んで日常生活に支障が出てしまって、医療的に見ても治療が必要な状態を指します。

『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』によれば、強迫観念と強迫行為は次のように定義されています。

強迫観念の定義について

  1. 繰り返される持続的な思考、衝動またはイメージで、それは障害中の一時期には侵入的で不適切なものとして体験されており、たいていの人においてはそれは強い不安や苦痛の原因となる
  2. その人はその思考、衝動またはイメージを無視したり、抑え込もうとしたり、また何か他の思考や行動によって中和しようと試みる

強迫行為の定義について

  1. 繰り返しの行動(例:手を洗う、順番に並べる、確認する)または心の中の行為(例:祈る、数える、声に出さずに言葉を繰り返す)であり、その人は強迫観念に対応して、また厳密に適用しなくてはいけないある決まりに従ってそれらの行為を行うよう駆り立てられているように感じる
  2. その行動または心の中の行為は、不安または苦痛を避けるかまたは緩和すること、または何か恐ろしい出来事や状況を避けることを目的としている。しかしその行動または心の中の行為は、それによって中和したり予防したりしようとしていることとは現実的な意味ではつながりを持たず、または明らかに過剰である

-American Psychiatric Association(高橋三郎、大野裕、染矢俊幸ほか訳)『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』医学書院より引用-

もう少し簡潔に言うと、自分でもやりすぎているとわかっているのに特定の事柄を気にしすぎてしまって苦痛の原因となるのが強迫観念、そして、そこまでする必要はないのに同じような行動を繰り返し行ってしまうのが強迫行為ということになります。また強迫観念を抱いてしまうからこそ、その思考や行動を緩和するために強迫行為が行われるということです。

強迫観念の内容は人によって様々ですが、具体的に見ていくと、ドアノブや電車のつり革にウイルスがついていて感染するかもしれないという思い、車を運転すると他の人を傷つけてしまうのではないかという不安、自分の部屋の小物の位置を必ず同じ場所に置いておかなければ気が済まない、といったものがあります。

そして、こうした強迫観念と和らげたり打ち消したりするために強迫行為が行われ、過剰なまでの手洗いや確認のために同じルートを何度も通ったり、順番通りに同じことを何度も繰り返したりして、結果的に多くの時間を費やしてしまうのです。

手を洗う行動、確認する行動自体に特に問題はありません。強迫性障害でない人も、手を洗うこともあれば、大丈夫かなと確認することもあります。

しかし強迫性障害の場合、その行為が過剰であり、もし1日の大半の時間を確認行動に費やしてしまったら、日常生活、ひいては仕事や学業にも差し支えてしまいます。また本人も明らかにおかしいとわかっているのに続けてしまうというのもあり、だからこそ医療的に適切に対処が必要なのです。

強迫性障害になってしまう原因

強迫性障害がどのようにして起きてくるのかということについては詳しくわかっていません。

しかしもともとなりやすい要因を抱えて、過剰なまでの不安を感じた時に一種の強迫観念が生まれ、それを払拭するために強迫行為を取り続けて、深刻化していってしまったことが考えられます。

強迫性障害になりやすい要因には、気質的要因、環境的要因、遺伝的要因がありますが、気質的要因としては心配性の人、物事を悲観的に捉える人、不慣れな状況を避けることが多い人が挙げられます。

環境的要因としては、連鎖球菌性咽頭炎や猩紅熱などを患った後に急性的に発症することもあります。また幼少期に虐待を受けていたことがあるとなりやすいとされます。

遺伝的要因としては、両親に強迫性障害の方がいると、いない人に比べて2~5倍発症リスクが高くなっています。

強迫性障害の主な治療法

強迫性障害の治療として挙げられるものが、お薬によるものと心理療法によるものです。

強迫性障害がどのようなメカニズムで起きるかは具体的には知られていませんが、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが関係していることは知られていますので、その効果として期待できるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といった抗うつ薬などを使用して症状を抑えていく方法があります。

しかし強迫性障害の方の脳内において、セロトニンが欠乏しているとする確たる証拠は実際のところ確認されておらず、あくまでも不安に関連するセロトニンに注目して、さきほどのお薬を処方されるケースが多いということになります。

一方で心理療法では認知行動療法の一種である曝露反応妨害法が挙げられます。

曝露反応妨害法というのは、簡単にいえば、不安を感じるようなことを敢えて実行して、その際に強迫行為をしないように、そしてその不安が自分自身にとって過度に不安を感じるものではないということを実感する方法です。

例えば、ドアノブや電車のつり革にウイルスがついていて感染するかもしれないという強迫観念を持っていて、その強迫観念を振り払うために過剰なほど手洗いをする強迫行為をするのであれば、ドアノブやつり革を握った後に、手を洗わない我慢をします。

最初は不潔で汚いと思ってしまいすぐに手を洗いたくなりますが、時間が経つうちに、そういった状態になれていき、自分にとって危険になるものではないんだという認識を持つことができます。

もちろん症状の深刻度に応じて改善されるまでの時間が異なってきますが、曝露反応妨害法は強迫性障害を持つ人に効果的な方法であることは知られていますので、取り組んでみる価値は十分にあるでしょう。

今回、強迫性障害とは何かということで、その条件、原因、治療法についてまとめてみました。

強迫性障害の程度にもよりますが、症状が酷いようだと感染が怖くて一歩も家から外出できない人がいたり、確認行動や繰り返し行動によって多くの時間をそのことに費やしてしまう人がいたりします。

場合によっては、強迫性障害になってしまったことで人生が大きく変わってしまうことも十分にあり得ます。

実は強迫性障害はパニック障害やPTSDと違って、具体的にいついつから発症したのかというのが分からないことが多いです。気づいたらそうなっていたということも珍しくありません。強迫性障害の兆しとなる考え方や行動を本人の特徴として捉えてしまい、対応が遅れてしまうこともあります。

よく見ると強迫性障害に見られる行為そのものは必ずしも悪いことではありません。手を洗う行為も何かを確認する行為も安心した生活を送る上ではなくてはならないことです。

しかし過剰になりすぎてしまって日常生活を侵されてしまっては元も子もありません。もしそのことで苦痛を感じ悩んでいるのであれば、症状を改善するための取り組みを行ってほしいと思います。

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