不安障害に関する症状や原因、治療法などについて、その当事者や家族、また不安障害を知らない人に向けての正しい理解を目指した特化サイトです。

不安障害ラボ

不安障害に関する症状や原因、治療法などについて、その当事者や家族、また不安障害を知らない人に向けての正しい理解を目指した特化サイトです。
>>当サイトの詳しい説明はコチラ

  1. TOP
  2. 強迫性障害
  3. 強迫性障害とはどんな病気!?症状、原因、治療法について

強迫性障害とはどんな病気!?症状、原因、治療法について

普段の何気ない生活で時々不安に感じる瞬間ってありませんか。

例えば、相手と約束した時間になってもその人が現れなくて「時間を間違えたのかもしれない」と不安になったり、近所で空き巣のニュースがあって「家の戸締りをしてきたのか」心配になったり、挙げればきりがありませんが私たちはふとした瞬間、あることに対して気をかけたり、気になったりするものです。

ただそのことが頭から離れなくなったり、その気持ちを払拭するために同じような行動を繰り返したり、そのようなことが続くことで次第に日常生活にまで支障が出てきてしまうことがあります。

日常生活を円滑に送れない状態まで深刻化し医療的な治療が必要になっている状態、それが強迫性障害というものです。

今回は、強迫性障害について、はじめての人にも分かるように具体的に見ていきます。

強迫性障害とは何か

強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder:OCD)とは、強迫観念と強迫行為が過度で日常生活に支障をきたし、医療的に見ても治療が必要な状態を指します。

強迫性障害におけるポイントは強迫観念と強迫行為ですが、『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』によれば、強迫観念と強迫行為は次のように定義されています。

  • 強迫観念は以下の1と2によって定義される
      • 繰り返される持続的な思考,衝動またはイメージで,それは障害中の一時期には侵入的で不適切なものとして体験されており,たいていの人においてはそれは強い不安や苦痛の原因となる
      • その人はその思考,衝動またはイメージを無視したり,抑え込もうとしたり,また何か他の思考や行動によって中和しようと試みる
  • 強迫行為は以下の1と2によって定義される
      • 繰り返しの行動(例:手を洗う,順番に並べる,確認する)または心の中の行為(例:祈る,数える,声に出さずに言葉を繰り返す)であり,その人は強迫観念に対応して,また厳密に適用しなくてはいけないある決まりに従ってそれらの行為を行うよう駆り立てられているように感じる
      • その行動または心の中の行為は,不安または苦痛を避けるかまたは緩和すること,または何か恐ろしい出来事や状況を避けることを目的としている。しかしその行動または心の中の行為は,それによって中和したり予防したりしようとしていることとは現実的な意味ではつながりを持たず,または明らかに過剰である

    -American Psychiatric Association(高橋三郎、大野裕、染矢俊幸ほか訳)『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』医学書院より引用-

    もう少し簡潔に言うと、自分でもやりすぎているとわかっているのに特定の事柄を気にしすぎてしまって苦痛の原因となるのが強迫観念、そしてそこまでする必要はないのに同じような行動を繰り返し行ってしまうのが強迫行為ということになります。

    強迫観念を抱いてしまうからこそ、その思考や行動を緩和するために強迫行為が行われるということです。

    強迫観念の内容は人によって様々ですが、具体的に見ていくとドアノブや電車のつり革にウイルスがついていて感染するかもしれないという思い、車を運転すると他の人を傷つけてしまうのではないかという不安、自分の部屋の小物の位置を必ず同じ場所に置いておかなければ気が済まない、といったものがあります。

    こうした強迫観念と和らげたり打ち消したりするために強迫行為が行われ、過剰なまでの手洗いや確認のために同じルートを何度も通ったり、順番通りに同じことを繰り返したりして、結果的に多くの時間を費やしてしまうのです。

    手を洗う行動、確認する行動自体に特に問題はありません。強迫性障害でない人も余計に手を洗うこともあれば、万が一を考えて念入りに物事を確認することもあります。

    しかし強迫性障害の場合はその行為自体が過剰で、時には何時間も同じような行動を取ってしまうのです。

    もし1日の大半の時間を確認行動に費やしてしまったら、日常生活ひいては仕事や学業にも差し支えてしまいます。本人も明らかにおかしいとわかっているのに続けてしまうこともあり、だからこそ医療的に適切な対処が必要なのです。

    強迫性障害になってしまう原因

    強迫性障害がどのようにして起きるのかはまだ研究途中です。

    当事者がもともとなりやすい要因を抱えて、過剰な不安を感じた時に一種の強迫観念が生まれ、それを払拭するために強迫行為を取り続け症状が深刻化しているのではないかという見方もあります。

    強迫性障害になりやすい要因には、気質的要因、環境的要因、遺伝的要因がありますが、気質的要因としては心配性の人、物事を悲観的に捉える人、不慣れな状況を避けることが多い人が挙げられます。

    遺伝的な要因では両親に強迫性障害の方がいる場合、いない人に比べて2~5倍発症リスクが高くなっています。

    また強迫性障害は自己免疫因子が関与している可能性も示唆されています。

    通称PANDAS(Pediatric autoimmune neuropsychiatric disorder assoiciated with streprtococcal infections)、日本語では小児自己免疫性溶連菌感染関連性精神神経障害と訳される、溶連菌の感染による自己免疫疾患ですが、溶連菌感染によって強迫性障害の症状を呈することがあります。

    実際にPANDASと診断された子どもの中には、正常範囲を超えた手洗いを繰り返したり、母親に何回も確認を求めたりする行動が見受けられています。

    強迫性障害の主な治療法

    強迫性障害の治療として挙げられるものが、お薬によるものと心理療法によるものです。

    強迫性障害がどのようなメカニズムで起きるかは具体的には分かっていませんが、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが関係していることは知られていますので、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といった抗うつ薬などを使用して症状を抑えていく方法があります。

    しかし強迫性障害の人の脳内においてはセロトニンが欠乏しているとする確たる証拠は実際のところ確認されておらず、あくまでも不安に関連するセロトニンに注目して、お薬を処方されるケースが多いということになります。

    一方で心理療法では認知行動療法の一種である曝露反応妨害法が挙げられます。

    曝露反応妨害法というのは、簡単にいえば不安を感じるようなことを敢えて実行して、その際に強迫行為をしないように、そしてその不安が自分自身にとって過度に不安を感じるものではないということを実感する方法です。

    例えば、ドアノブや電車のつり革にウイルスがついていて感染するかもしれないという強迫観念を持っていて、その強迫観念を振り払うために過剰なほど手洗いをする強迫行為をするのであれば、ドアノブやつり革を握った後に手を洗わないように我慢をします。

    最初は不潔で汚いと思ってしまいすぐに手を洗いたくなりますが、時間が経つうちに、そういった状態になれていき「自分にとって危険になるものではないんだ」という認識を持つことができます。

    もちろん症状の深刻度に応じて改善されるまでの時間が異なってきますが、曝露反応妨害法は強迫性障害を持つ人に効果的な方法であることは知られていますので、取り組んでみる価値は十分にあるでしょう。

    今回、強迫性障害とは何かということで、その条件、原因、治療法についてまとめてみました。

    強迫性障害の程度にもよりますが、症状が酷いようだと感染が怖くて一歩も家から外出できない人がいたり、確認行動や繰り返し行動によって多くの時間をそのことに費やしてしまう人がいたりします。

    場合によっては強迫性障害になってしまったことで人生が大きく変わってしまうことも十分にあり得ます。

    実は強迫性障害はパニック障害やPTSDと違って、具体的にいつから発症したのかというのが分からないことが多いです。気づいたらそうなっていたということも珍しくありません。強迫性障害の兆しとなる考え方や行動を本人の特徴として捉えてしまい、対応が遅れてしまうこともあります。

    よく見ると強迫性障害に見られる行為そのものは必ずしも悪いことではありません。手を洗う行為も何かを確認する行為も安心した生活を送る上ではなくてはならないことです。

    しかし過剰になりすぎてしまって日常生活を侵されてしまっては元も子もありません。もしそのことで苦痛を感じ悩んでいるのであれば、症状を改善するための取り組みを行ってほしいと思います。

    参考文献

    スポンサードリンク

    アーカイブ

    月別一覧
    年別一覧

    profile

    管理人:ミヤシタソウジ

    プロフィールの詳細はコチラ

    当サイトの説明はコチラ

    Twitter:@soji_miyashita

    当サイトに関すること、その他個別の問い合わせがありましたらメールにてお願いします。

    Gmail:soji.miyashita★gmail.com
    (迷惑メール防止のため、送る際は★を@に変えてください)

    PAGE TOP