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パニック障害の症状が悪化する流れを詳しく

不安障害のひとつであるパニック障害。パニック障害には、パニック障害の根幹をなす「パニック発作」、パニック発作を経験することで起こる「予期不安」、そして実際にパニック発作を誘発させる引き金的な役割を持つ「広場恐怖(広場恐怖症)」という3つの兆候から成立していると言えます。

パニック障害と一言に言っても、その症状の具合については人それぞれで、一概には言えない部分もありますが、それでも特徴的な症状が見られることで、客観的に見ても症状が重いということは理解することができるでしょう。

今回、パニック障害の症状が悪化していく流れを見ていき、その過程の中でどのように治療介入していったら良いのか、治療のポイントとなる部分をそれぞれ見ていこうと思います。

症状が悪化していく流れ

第1段階:パニック発作

パニック障害を見ていく中で、パニック発作をないがしろにしてはいけません。仮にパニック発作にみられる症状が起きたとしても、実は深刻な病に侵されている可能性もあるからです。

パニック発作に含まれる症状には、動悸や心拍数の増加、異常な発汗、身体の震え、窒息感、胸の痛み、吐き気、めまい、感覚麻痺、感覚異常などがありますが、これらは循環器系や呼吸器系の疾患によって引き起こされることもあります。

特に、循環器系の病気である虚血性心疾患は突然死する可能性もあるため、パニック発作だからといって安直にパニック障害と決めつけず、まずは内科的な視点で心電図や血液検査の結果を重視した上で、それでも異常が見られない場合にパニック障害の疑いを持つべきでしょう。

パニック発作と呼ばれるものについてもう少し詳しく見ていくと、以下のような症状が少なくとも4つ以上同時かつ突発的に現れて、数分後にピークに達し、その後は次第に治まっていくのが特徴です。

  1. 動悸や心拍数の増加
  2. 発汗
  3. 身体の震え
  4. 息切れ感や息苦しさ
  5. 窒息感
  6. 胸の痛み、胸部の不快感
  7. 吐き気、腹部の不快感
  8. めまい感、ふらつき感、気が遠くなる感覚
  9. 寒気またはほてり
  10. 感覚が麻痺する、うずくなどの異常感覚
  11. 現実的ではないという現実感消失または自分自身が離脱しているという離人症状
  12. 抑制力を失うことによる恐怖、気が狂ってしまうことによる恐怖
  13. 死ぬかもしれないという恐怖

パニック障害のパニック発作は必ずしも緊張する場面であったり、非日常的なシーンであったりするわけではなく、ごくごくありふれた日常的なシーンで突然起こります。

パニック発作には身体的な症状と精神的な症状がありますが、身体的な症状だけだと「疲労が溜まっているだけだろう」と病院に行かなかったり、また病院に行っても検査結果に異常がなければ、過労によるもの、自律神経失調症状態にあるもの、ストレス性の不調などとして、曖昧な診断になりがちになってしまいます。

曖昧になってしまうのは、医師の力量も関係する場合もありますが、パニック障害自体が患者に対する問診によって下されるため、問診が曖昧だと診断もまた曖昧になってしまうからです。患者側もある程度知識として、パニック障害の存在は知っておいた方がいいのかもしれませんね。

パニック障害は正しい診断がなされることで適切な治療に結びつき、また周囲に対して理解を求める時にも役に立ちます。

そもそもパニック障害に伴うパニック発作は「気のせい」とか「甘え」とかという感情論や根性論で片付けられるものではなく、脳内における神経伝達物質(セロトニン系やノルアドレナリン系)の異常によるものであることが分かっています。

なので初期の段階で、パニック発作を抑えるために医師から処方されたお薬を飲むことにより、慢性化することなく日常生活においても支障をきたすことなく過ごすことができるのです。

ただパニック発作を軽く考えてしまい、結果的に日常生活にまで支障をきたすようになると、臨床的に見てもパニック障害であることが明確になり、症状としても深刻化していきます。

パニック障害とは断定できないものの、パニック発作が見られるようであれば、自分自身の健康を過信せずに医師からの治療を受けた方が賢明でしょう。

またその際は、既往歴や発症時のエピソード、生活環境などを具に伝えることが大切です。

第2段階:予期不安

パニック発作には身体的な症状と精神的な症状があることを説明しましたが、身体的な症状もそうですが、自動的に沸き起こってくる精神的な症状もまた辛く、パニック障害を深刻化させてしまう原因にも繋がってきます。

例えば、「発作で死ぬかもしれない」という恐怖感情に支配されると、また次も同じような体験をしてしまうのではないかと不安に駆られます。

これが「予期不安」と呼ばれるもので、繰り返される発作の度に不安は強くなり、より症状を悪化させてしまいます。

予期不安自体は、発作そのものを起こしてしまうことによる恐怖と、発作によって引き起こされる出来事に対する恐怖のパターンが確認されていますが、後者の恐怖パターンは、次に説明する広場恐怖(広場恐怖症)へと繋がっていきます。

本来、パニック障害に伴うパニック発作で死ぬことはないのですが、突然の発作が死を想起させるほど苦しいので、そのイメージが脳裏に焼き付いてしまい、予期不安が残り続けてしまうことが多いです。

予期不安を緩和するために、この段階ではお薬の他に、認知の偏りを修正する認知行動療法を取り入れていく必要があるでしょう。

第3段階:広場恐怖(広場恐怖症)

パニック障害だからといって必ずしも広場恐怖(広場恐怖症)を発症するわけではありませんが、先ほどの予期不安が強ければ広場恐怖を伴うケースが多いです。

広場恐怖を伴うと、特定の場所や状況を避けるような行動をとります。この行動は回避行動と呼ばれますが、家から出ることができなかったり、今までの行動範囲が狭まったりすることが往々にしてあります。

広場恐怖を言葉通りにとってしまうと、開けているような広い場所に対して恐怖を感じてしまうと思いがちですが、実際はそうではなく、閉鎖的な空間、逃れられない場所、拘束性が強い場面に対して恐怖を感じます。

例えば、電車の車内、映画館、美容院、歯科医院などはパニック障害を持っている人にとっては油断ならない場所です。

パニック障害が重症化することで、公共の交通機関を一人で利用することができなくなったり、近くのスーパーやコンビニなどに行く際も付き添いが必要になったり、最終的にはほとんど外出できない引きこもり状態になってしまうこともあります。

また、外出したいのにできない気持ち、他者に対して申し訳ない気持ちなどが重なることで抑うつ状態にも陥り、広場恐怖からうつ病へ発展することも少なくありません。

広場恐怖の段階では気分的な落ち込み、やる気の低下なども見受けられるため、医師から処方されたお薬を服用しながら行動療法のひとつである曝露療法(エクスポージャー法)の実践が効果的でしょう。

行動療法は時代を経て、認知行動療法のプログラムのひとつとして存在していますが、行動療法は本人の不適応な行動様式を修正する役割を持っているため、広場恐怖によって顕著になる回避行動の緩和が期待できます。

行動療法は曝露療法以外にもありますが、実際に恐怖や不安を喚起させるような場所を体験し、パニック発作が起きたとしても自分自身をコントロールする感覚を養うという意味で曝露療法は効果的です。

厳密に言えば、パニック発作に似たような症状はパニック障害以外の精神疾患でも見られるため、パニック発作のところで説明した段階では、その発作がパニック障害に結びつくのかは定かではありません。よくある間違いなのですが、パニック発作=パニック障害ではないのです。

しかしパニック発作が予期不安、そして広場恐怖やうつ病へと発展していった時のことを考えるのならば、パニック発作のみ発症している段階で早期に治療を受けるべきでしょう。その方が治療に対する負担も少なくて済みます。

またパニック発作に関して言えば、発作は突然起こりますが、起こる前の段階で生活習慣が乱れていたり、過剰なストレスや睡眠不足があったり、心身ともに黄色信号が灯っている状態にあることが見受けられます。症状そのものに目を向けることも重要ですが、その前に身体のコンディションを把握しておくことも大切です。

パニック障害は直接死に至るというわけではないものの、日常生活が制限されたり社会的な損失を被ったり、生きている感覚を奪いかねない心の病気です。症状が重症化してしまうと、お薬だけで完治とはいかず、心理療法も含めた治療になり、その分だけ時間も長く必要になります。

治療中、いつになったらパニック障害が良くなるのか不安に駆られることもあります。その不安がまた不安を呼び、症状の改善を阻むこともしばしばあります。そんな時、一人でなんとかしようとするのではなく周囲のサポートを受けてほしいと思います。

また周囲にいる人も「気の持ちよう」とか「甘えている」などと本人の気持ちを逆撫でするような発言は慎んで、パニック障害が脳内の神経伝達物質の異常によるものであることを理解したうえで支えてほしいと思います。

パニック障害のなりやすさというものはありますが、それでもパニック障害自体は稀な病気というものではなく、条件次第で誰もがなる可能性は十分にあるでしょう。

パニック障害にならないのが一番ですが、もしなってしまった時、また周囲の人がなってしまった時に症状がどのように悪化していくのか知っておくことで、症状の深刻化や慢性化を防ぐ手立てになるのではないでしょうか。

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