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不安を緩和するための代表的なリラクセーション法

人間は強い不安や緊張状態にさらされた時には自律神経の作用により交感神経が優位になります。しかしながら自律神経の働きが弱い人や物事に対する感受性が強い人というのは、客観的に見て不安や緊張を感じるような場面でないにも関わらず、そのように感じてしまい、心身ともに疲弊してしまうことが結構あります。

緊張してしまっている身体の状態を元に戻すためには、交感神経ではなく副交感神経を優位にする必要がありますが、お風呂に入って半身浴をしたり、部屋に好みのアロマを焚いたりなど、自分なりのリラクセーション法を持っている人も多いと思います。

ただこのような方法だと場所が限られたり道具が必要になったりするので、不安や緊張状態にさらされた時に、すぐにはできないという問題が起きてしまいます。

今回紹介する自律訓練法と漸進的弛緩法はどこでも行うことができ、かつ特別な道具も必要ないため、自分で自分を癒すセルフケアにもってこいのリラクセーション法です。

自律訓練法について

自律訓練法はドイツの精神科医であるSchultzが開発した方法で、一種の自己暗示です。自己暗示というと怪しいと思ってしまう人もいるかと思いますが、実際、医療現場でも用いられることのある手法なのでそこまで疑う必要はありません。

不安障害の治療プログラムでも、予期不安を軽減する目的で自律訓練法が取り入れられています。

この訓練法は6つの公式と消去動作から成り立っており、心身の安定、自己コントロール、不安感や緊張感の軽減などが期待できます。

やり方を覚えてしまえば、日々のちょっとした休憩時間などでも簡単に行うことが可能です。

椅子に座りながらあるいは仰向けになって寝ながら行いますが、座って行う場合は、気持ちが落ち着けるように深く椅子に腰かけ、両足を軽く開いた感じにします。手は太ももの上に軽く置きます。

仰向けになって行う場合は、公園の芝生の上に寝そべっているような感じで両足は肩幅程度に開き、手は身体から20cmほど離した感じにします。

軽く目を閉じ腹式呼吸を意識しながら「気持ちが落ち着いている」と暗示をかけて準備完了です。

では具体的にどのような手順で進めていくのか順番に見ていきましょう。

第1公式:手足の重さを感じる

最初の公式は両手両足の重さを感じるというものです。重感公式とも言います。

右手、左手、右足、左足の順に「右手が重たい」、「左手が重たい」、「右足が重たい」、「左足が重たい」という暗示をかけていきます。

最初は両手両足に力が入っていて重さを感じにくいですが、繰り返し行っていくと徐々にですが重さを感じられるようになります。

第2公式:手足に温かさを感じる

次の公式は両手両足に温かさを感じるというものです。温感公式とも言います。

先ほどと同様に右手、左手、右足、左足の順に「右手が温かい」、「左手が温かい」、「右足が温かい」、「左足が温かい」という暗示をかけていきます。

自律訓練法は6つの公式から成り立っていることを説明しましたが、後に続く公式はする人によっては逆効果になってしまうこともあるため、この第1公式と第2公式だけで十分効果を上げることができます。

第3公式:心臓が静かに規則正しく打っていることを感じる

胸に手を当てて、「心臓が静かに規則正しく打っている」と心の中で唱えて何度も繰り返します。心臓調整公式とも言います。

意識するよりも自然と感じることを目標とします。

なお、ここでは心臓に何かしらの疾患がある人はこの公式をやるのは避けた方がいいでしょう。

第4公式:楽に呼吸していることを感じる

鼻や口で「楽に呼吸している」と心の中で唱えて何度も繰り返します。呼吸調整公式とも言います。

ここでも自然と行うことが大切です。

なお、呼吸器系に何かしらの疾患がある人はこの公式をやるのは避けた方がいいでしょう。

第5公式:おなかが温かいことを感じる

お腹に手を当てて「お腹が温かい」と心の中で唱えて何度も繰り返します。腹部温感公式とも言います。

手の温もりがお腹にも伝わっているというイメージを持つと、自然とお腹も温かさを感じやすくなります。

なお、胃腸に何かしらの疾患がある人や妊娠中の人はこの公式をやるのは避けた方がいいでしょう。

第6公式:額が心地よく涼しいと感じる

「額が心地よく涼しい」と心の中で唱えて何度も繰り返します。額部冷感公式とも言います。

イメージとしては夕涼みのように額に心地よい涼しい風が当たっている感覚で、額に涼しさを感じるようにします。

なお、頭部に何かしらの疾患がある人はこの公式をやるのは避けた方がいいでしょう。

消去動作

一連の公式動作を行った後は、リラックスして頭がぼーっとした感じになりますので消去動作を行います。仮に消去動作をしないと、身体がふらついて転んで怪我をしてしまうこともありますので危険です。やはり普段身体が活動している状態に戻すためにも消去動作は必要になります。

やり方としては最初に両手を5回ほど握ったり開いたりして、その次に両肘を3回ほど曲げたり伸ばしたりします。最後に、両手両足を伸ばし全身で背伸びをして完了になります。

一連の公式を終えるまでの目安時間は5分ほどでそれほど長くありません。また第1公式と第2公式だけ行う場合であっても、一連の公式の目安時間と同じ時間をかけて行いますので、繰り返しますが第1公式と第2公式をマスターするだけでも十分効果は見られます。

1日に2、3回訓練法を行い、それを毎日続けて行います。仰向けになって寝ながらでもできますので、ベッドや布団の上で行うとやりやすいのではないかと思います。

最初のうちは集中するのが難しく、手足に重さや温かさを感じられにくいかもしれませんが、繰り返し行っていくことで少しずつコツが分かってくるでしょう。また初めの段階では静かで落ち着ける環境で行い、徐々にどこでもできるように様々な場所で取り組んでいくと良いと思います。

漸進的弛緩法(筋弛緩法)について

漸進的弛緩法(筋弛緩法)はアメリカの精神科医であるJacobsonが開発した方法で、臨床現場でも手術前に緊張している人に対して心身ともにリラックスするやり方として知られています。

通勤、通学中の電車の中であったり仕事場や自宅であったり、行う環境に制限はありません。

できる部位だけ行っても効果は示されます。ただ身体の自由が利く場合は全身に対して行うとより一層効果的です。

具体的なやり方は以下の通りです。

基本動作の確認

身体の部位に10秒間ほど力を入れて、その後一気に脱力して20秒間ほど緩めた状態にします。

脱力状態を維持していると身体の内側からポカポカと温かくなってリラックスできます。

これが基本動作です。

上半身

両手、上腕、背中、肩、首、顔(口や目)の順で行っていくとやりやすいでしょう。もちろん無理は禁物です。特に肩や首、背中などは筋肉が硬直していることがあり、急に力を入れてしまうことで痛めてしまうこともあります。自分の身体と相談しながら取り組んでください。

各々の部位を見ていくと次のようになります。

両手の場合は、両腕を伸ばした状態で親指を曲げて握りこぶしを作り力を入れます。その後握りこぶしを解いて一気に脱力します。

上腕の場合は、握りこぶしを作り、腕を曲げて上腕に力こぶを作って力を入れます。その後曲げていた腕を戻して一気に脱力します。

背中の場合は、肩甲骨を意識して背中に力を入れます。その後一気に脱力します。

肩の場合は、両肩を上げて首をすぼめるような形で肩に力を入れます。その後肩を下して一気に脱力します。

首の場合は、一度目は右側に首を傾けて首に力を入れます。その後もとに戻して脱力します。二度目は左側に首を傾けて力を入れて、その後脱力します。

顔(口や目)の場合は、口をすぼめたり目を瞑ったり、顔の中心に力が集まるような感じで力を入れます。その後顔の緊張を解いて一気に脱力します。

下半身

上半身の次に下半身です。下半身は腹部、両足の順に行っていくとやりやすいでしょう。

腹部の場合は、お腹をへこますような感覚でお腹の中心に力が集まるような感じで力を入れます。その後一気に脱力します。

両足の場合、指先を曲げて足全体に力を入れます。その後指先を伸ばして一気に脱力します。

筋肉の緊張と弛緩を各部位ごとに2回ほど繰り返して、最後に深呼吸をしてリラックス状態を深めます。漸進的弛緩法についてはレクチャーする人によって少し異なる部分もありますが、基本動作については大きな差異はありません。

不安や緊張という感情は全身にある筋肉の動きを低下させ、悪い結果に繋がってしまう原因になってしまうものです。

そのための対応策として、自分なりのリラクセーション法(リラックス法)を身につけておくことが求められます。

今回紹介した自律訓練法や漸進的弛緩法を用いれば、不安や緊張を感じた時に自らリラックスできる状態を作ることが可能です。

もちろんやり方を身につけるまでには少し時間がかかってしまいますが、一度身につけてしまえば普段の生活のひとコマで不安や緊張に襲われた時に、その不安感や緊張感が筋肉を硬直化させてしまう流れを断ち切って物事を遂行することができます。

ストレス社会と言われている現代社会において、何か自分の癒しとなるものが必要です。

自律訓練法や漸進的弛緩法はどこでも行うことができ、かつアロマセラピーのように道具を必要としないために、自分で自分を癒すセルフケアにもってこいだと思います。是非一度試してみてはいかがでしょうか。

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