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社交不安障害に見られる自動思考の具体例について

社交不安障害を改善するためには、お薬を使う薬物療法の他に認知行動療法というものがありました。

簡単にいえば認知行動療法とは考え方の癖に着目した心理療法のひとつです。

いきなりですがここに一杯の水の入ったコップがあります。そしてそのコップに丁度半分ぐらいの水が入っています。

この水の量を多いと思うでしょうか、それとも少ないと思うでしょうか。

多いと思う人もいれば少ないと思う人もいます。もちろんその見方に間違いはなくどちらも正解です。

私たちはあるモノに対してそのまま見ていると思っていますが、その背景には自分なりの捉え方が存在します。

そのような自分なりの捉え方や考え方を一般的に<認知>という言葉で呼びますが、時にその認知が極端に偏ってしまうことで、不安や恐怖に直面した際に、自然と沸き起こってくる「自動思考」というものをネガティブな方向へ偏らせてしまうのです。

今回は自動思考というものをテーマに、社交不安障害に見られる自動思考がどういう考え方をするのかということを具体例を交えながら見ていきます。

自動思考の具体例を紹介

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会食恐怖の場合

会食恐怖というのは外食することに恐怖を感じてしまい、外で食事を取ることが困難になってしまう恐怖であり、社交不安障害のひとつに分類される恐怖です。

三大欲求の一つでもある食欲というものが外食という機会で無くなってしまう辛さ、友達、彼女(または彼氏)、家族、同僚と一緒に食事を取りたくても取れない辛さ、会食恐怖は日常生活を充実させることを阻む厄介なものと言えます。

会食恐怖における自動思考を考えていくと様々な考え方が挙げられます。具体的に言うと、「出された食事を残してはいけない」という思考があります。

この場合、考え方の背景には幼少期のしつけ、そしてそれに伴う嫌な体験というのが挙げられます。

「残してはいけない」と幼少の頃から躾けられていると、どんな食事の場面であっても残してはいけないんだという思考が働きます。

しかし、そこは人間ですから時には体調不良になってしまうこともあると思います。そして食事すら満足に取れないほど症状がひどい時もあったと思います。

だからこそ、体調不良の時もあるので食事を絶対に残してはいけないと思わなくてもいいのです。ところが社交不安障害になる人と言うのは、親の言ったこと、先生の言ったことを絶対視するようなタイプの方も多いので、そのように思うことができず、結果的に罪悪感が優位に立って不都合なことになってしまうのです。

結果、罪悪感が働くことで外食先で絶対に残してはいけないという思いが強くなります。そしてそれが緊張状態を誘発させ、緊張からくる吐き気や息苦しさを招き、ますます状態を悪化させてしまいます。

そしてそういった思考に囚われてしまうことで、外食しようとすると拒絶反応として身体症状が現れ、本来であれば楽しい、嬉しい外食の機会というものが危険なものとして誤って認知されてしまい回避行動に繋がっていくのです。

赤面恐怖の場合

赤面恐怖というのは、簡単に言うと人前で顔が赤くなることに恐怖心を持ってしまい、人前に出ることを避けてしまうというものです。

この場合の自動思考についてですが、人前で顔が赤くなることを他人から馬鹿にされるのではないか、笑われるのではないかという考えが浮かびます。

馬鹿にされたっていいじゃないか、笑われたっていいじゃないかと思う人もいるかもしれません。しかし赤面恐怖を自覚する時期としてもっとも多い中学・高校時代というのは、ほんの些細なことでいじめに発展していくもので、だからこそある意味で相手に弱みを見せないと考える人もいます。

そういうことを考える人ほど、つまり先を見通す力がある人ほど赤面恐怖に陥りやすく、本当は能力的にも高いものを持っているのに敢えて人前で話すことを回避するようになっていきます。

視線恐怖の場合

視線恐怖の中でも自己視線恐怖の場合、ここでの自動思考は、自分の視線が相手に不快を与えているかもしれない、相手に変なふうに思われているのではないかという考えなどが挙げられます。

そういう思考が根底にあると他人の目を見て何かをするというのが困難になります。

視線恐怖には自己視線恐怖の他にも他者視線恐怖があります。他者視線恐怖の場合はどうでしょうか。

他者視線恐怖の自動思考は他者の視線に対して何かしらの脅威を感じてしまい、相手から攻撃されるのではないかという考えがあります。

視線恐怖に陥ってしまった理由は色々と考えられますが、主たる理由としては、いじめを受けた結果、他人の視線に対してすごく過敏に反応してしまい、またいじめられた相手以外にも同様のことを感じてしまっている可能性があります。

そして結果的には人前を避けるような回避行動を取ってしまうのです。

自動思考を考えるためには、その裏に隠された気持ちを考えなければいけません。

また自動思考というのは、よくよく見ていくと自己否定的な思考パターン、他者を恐怖や脅威として見てしまうパターン、そして完璧主義的な思考パターンに帰着することが多いです。

このような自動思考の偏りこそ、さらに恐怖や不安を増長させてしまい、身体症状として吐き気や息苦しさ、発汗、震えなどを引き起こします。

冒頭にも言いましたが、この自動思考の偏りを変えていくのが認知行動療法というもので、第三者の方と一緒になって思考の捉え方や見方のズレを小さくしていきます。

ただ自動思考というものが短期間で劇的に変わるかというとそうではないと言えます。むしろ訓練していく過程で場合によっては元に戻ることも十分にありえます。

しかし継続は力なりで一歩ずつ前に進んでいけるように、本人の意志と努力、周りの手助けや理解、そして専門家の知識と技術、この三位一体で取り組んでほしいと思います。

人が考えていることというのは誰かに伝えない限り分からないものです。たとえどんなに優秀な医師やカウンセラーであっても患者やクライエントの思考を読めるわけではありません。

当事者の自動思考を把握し、周りの人が理解することで改善の道が開けていくのではないでしょうか。

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