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ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)とは!?手順、効果、特徴について

ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)は、社会技能訓練や生活技能訓練とも呼ばれ、臨床心理学の中では認知行動療法におけるひとつの技法として捉えられています。

本来身につけるべき時期に社会技能や生活技能が身につけられなかったせいで、社会生活が円滑に送れていないという問題がある場合、このSSTを用いて、社会生活に必要な技能を身につけます。

どのような社会技能が必要なのかはクライエントが抱える生活の悩みや目標とする行動などによって異なるため、内容自体はその都度変化します。

ここでは、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)の基本的なことについて見ていきたいと思います。

ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)の特徴

SSTは様々な症状や問題に対して用いられるプログラムですが、実施するにあたってクライエントが抱えている症状や問題、置かれている環境などを初めにしっかりと把握することが求められます。

扱われる領域としては、集団参加行動領域、言語的コミュニケーション領域、非言語的コミュニケーション領域、自己・他者認知領域などがあり、クライエントが社会生活を円滑に送るためにどの領域の訓練が必要なのかを見定め、介入や支援の目的と方向性をはっきり示す必要があります。

冒頭にもSSTは認知行動療法におけるひとつの技法として捉えられると言いましたが、ベースには認知行動療法で用いられている理論が下支えとなっており、SSTにもその要素がしっかりと組み込まれています。

SSTについて「適切なスキルを身につける」というイメージを持つと、単に覚えるという印象が感じられますが、実際はそう単純なものではなく、状況を把握して自分がどう振舞えばいいのかを認識するという認知的な側面と、状況を目の前にした時に自分の意思のもと行動するという行為的な側面が含まれています。

特に認知的な側面は、これまでに体験したことや経験したことの中で身についた不合理な考え方、狭まった捉え方をSSTを通じて見直しつつ、目の前の状況において、複数ある選択肢の中からどのような対応が適切かを判断し認識する役割が期待できます。

そして適切な認識をしたうえで実際に行動に結びつけ、抱えている問題や悩みを緩和することができるのです。

ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)の手順

SSTのプログラム内容は、クライエントが抱えている問題や悩みに応じて適宜変化するので、固定されているものではありませんが、どのような環境で行われるか、どのように進められていくかという手順や方法については決まっていることが多いです。

どのような環境で行われるかということについては、実施者とクライエントとが一対一で進める個別のケースと、同様の症状を抱える人が集まってひとつのグループを作って行われるケースの二通りがあります。

もちろんそれぞれにメリット・デメリットがありますが、個別のメリットは実施者がクライエントに合った方法でSSTを実践することが可能で、グループのメリットは他の参加者の行動が参考になり、自分ひとりでは気づくことができないことに気づくことができます。

どちらを選択するかは本人次第のところもあり、必ずしも一方が優れていて他方が劣っているということではないので、より自分に適したほうを選ぶことで治療も円滑に進むと思います。

次に手順ですが、SSTは主にモデリングとロールプレイによって構成されています。

モデリングというのは、例えば対人場面においてどのような接し方をしたらいいのか、どのような会話や感情表現をしたらいいのかなどを見て学ぶことです。そして見て学んだことを実際に自分でやってみるというのがロールプレイです。

ロールプレイ後は行動や反応を振り返り、もし不適切な行動が見られれば、どこがいけなかったのかを確認します。そして最終的には学んだスキルを練習した場面以外のあらゆる状況でできるようにします。

SSTは、モデリングだけを学んでもそれを実践しなければ意味がないですし、ロールプレイも適切なモデリングがなければ誤ったやり方を続けてしまい、逆に相応しくない対応の仕方を身につけてしまうので、両方が機能してはじめてSSTが効果を発揮します。

ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)の具体例

日本においてSSTはアスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害などの発達障害を抱える人に用いられることが多いですが、海外に目を向けてみると、うつ病や不安障害を抱える人などにも用いられることがあります。

不安障害の中でも社交不安障害は、対人場面での恐怖や不安感情が著しいことによって日常生活に支障をきたしてしまう心の病気ですが、SSTによって対人場面での適切な対応の仕方を学ぶことで、対人場面での恐怖や不安を緩和することが期待できます。

対人場面が苦痛に感じてしまうのにはいくつか理由があると思いますが、ここでは「会話が続かなくて怖い」、「場をしらけさせてしまうのが怖い」という気持ちがあることで対人場面を苦にしてしまう例を考えていきます。

そのような気持ちを抱いてしまう背景には、もしかしたらこれまでの対人場面でのやり取りで良いイメージが持てなかったり、そもそも対人場面でのやり取りについて相応しい対応を学んでいなかったりしている可能性があります。

対人場面ということに焦点を当てると相手との会話のやり取りが中心になると思いますが、その際、「相手の気持ちを考えていなかった」、「自分の気持ちを伝えられていなかった」、「自分の感情をコントロールできていなかった」などの問題点をピックアップする必要があります。

特に社交不安障害ということならば、「自分の気持ちを伝えられていなかった」ということがきっかけで会話を苦にしているケースが往々にしてあります。

自分の気持ちを伝えること、自分を表現することを「アサーション」と言いますが、SSTの中でもアサーションに特化したアサーション・トレーニングによって適切な自己表現を学ぶことで、会話における問題点を解消することが可能になります。

また自己表現だけではなく、その際の適切な振舞い方や仕草などを学習し、ロールプレイを通じて適切な対応の仕方を繰り返し行って身につけていきます。

最終的には、練習した場面以外の状況でも自分の意思表示ができたり、適切な振舞いをしたりすることが目標になります。

ソーシャル・スキルというのは、本来であれば、大人になっていく過程で自分の周囲にいる人を観察しながら身に付くものですが、それが何かしらの理由でできなかった人というのも存在しており、そのような身につけるべき時期にスキルを身につけられなかった人のためにソーシャル・スキル・トレーニング(SST)は存在しています。

またSSTでは、小さな成功体験を積み重ねることで自己肯定感を育むというもうひとつの役割を持っています。

今までの人生のなかで誤って身についたスキル、あるいは必要なスキルなのに身についていないスキルといったもので日常生活を円滑に送れていないのであれば、SSTを実践してみる価値はあると思います。

ただし、これまで身につけたスキルを捨てて新しいスキルを身につけるには長い時間と、多くの段階を経る必要があり、実施者とクライエント双方とも粘り強く取り組まなければなりません。

しかしながらSSTを通して身についたスキルというのは、これまでの苦悩や葛藤を緩和あるいは解決してくれて、自分の身を助けるものにもなります。

どのようなスキルが必要なのかは各々で異なるため、SSTの内容自体はクライエント次第で大きく変化しますが、様々な症状や問題に対処するひとつの方法としてSSTというやり方もあることを知っていただけたら嬉しく思います。

またSSTを通じてより良い人生を送ってほしいと切に願います。

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