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社交不安症を経験した有名人・芸能人まとめ

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人の視線に対して著しく不安や恐怖を感じてしまう社交不安症(社交不安障害)は、その症状の性質上、公の場や人前に出ることを極力回避するため、人前に出る機会が多い有名人や芸能人という括りのなかで考えると、社交不安症を経験した有名人や芸能人は限りなく少数だと言えます。

事実、同じ不安症に該当するパニック症と比べるとその数には大きな差が見てとれます。

またさらに日本人ということで見ていくと、日本では文化的な背景から恥を意識する傾向にあるため、その根底に恥の意識が少なからず関係している社交不安症では、ほとんど例がありません。

強いて挙げるなら、過去に対人恐怖症(対人恐怖)を持っていて営業ができず会社を解雇された経験を持つニトリ創業者の似鳥昭雄さん、お亡くなりになられましたが聖路加国際病院名誉院長を務めた日野原重明先生が赤面恐怖症(赤面恐怖)を学生時代に患っていました。お二人とも様々なメディアを通じて語っているので、聞いたことがある人もいらっしゃるのではないかと思います。

ただ、症状がどの程度なのかにもよると思います。

似鳥昭雄さんは対人恐怖症とおっしゃっていましたが、自著のなかでスナックの代金未払いの取立てや家出した女性への仕事の斡旋などのアルバイトをしていたと綴っています。代金の取立てや仕事の斡旋といった対人折衝力や交渉力が求められる仕事なので、果たして対人恐怖症の人がそこまでできるものなのか疑問を感じる人もいることでしょう。

こうした事例があるので、もしかしたらその当時の「対人恐怖症」を病気というよりも性格的な一面と捉えている可能性があるのかもしれません。

では「社交不安症」という言葉に目を向けて考えると、そもそも社交不安症という病気の概念自体がここ最近知られるようになったばかりなので、あまりなじみがないというのが現状です。

もちろん誰かしら該当する人はいるのでしょうけれど、日本における社交不安症の有名人や芸能人というのは限りなく少ない状況です。

では日本ではなく海外に目を向けるとどうでしょうか。

海外に目を向けると、自ら社交不安症の症状に苦しんだ経験についてカミングアウトしている有名人がいます。

数名ですがご紹介したいと思います。

社交不安症を経験した有名人・著名人

世界的ミュージシャンのシーアさん

稀に彼女の顔を見る機会はあるものの、絶対に顔出しをしないシンガーソングライターとして知られているシーアさん。そのためステージに立つ時には髪や紙袋などで顔を隠すようなスタイルで、客観的に見れば奇抜に映り、それもまた彼女の人気に火をつけています。

『Chandelier』や『Alive』などの曲が有名で、また自分が歌う曲の他にビヨンセやブリトニー・スピアーズなどの歌手にも楽曲を提供しています。

Cosmopolitan UKにて彼女は社交不安症であることを告白しています。

“I have social anxiety. It’s easier being up on stage because there’s security in being there. When I’m off stage, I’m trying not to be a manic freak. I’m quite shy.”

出典:http://www.cosmopolitan.com/uk/body/health/a44352/celebrity-quotes-mental-health/

インタビューでは、自身が社交不安症であること、セキュリティの存在があるからステージ上が楽であること、実際はとてもシャイであることを語っています。

また彼女は別の媒体でパニック障害、うつ病、アルコール依存症、自殺未遂などを経験したことを話しており、髪や紙袋で顔を隠すようなスタイルもメディアで顔を出さないのも周囲から気づかれたくない、自分の見た目について批判されたくないという気持ちがあるからだそうです。

周囲からの視線を遮るように髪や紙袋で顔を隠している背景を考えると、社交不安症の症状によるものもあるのではないかと思います。

元オリンピック競泳選手のスーザン・オニールさん

シドニーオンリピックで活躍したスーザン・オニールさんという方が社交不安症であることを告白しています。

オーストラリア出身の彼女は、かつて表彰台に上がって人の視線を浴びたくないという理由から、「3位以内に入りたくない」という思いがあったそうです。

まさに社交不安症に該当する視線恐怖の典型的な例です。

彼女は国の代表になり、そしてオリンピックで金メダルを取るほどなので、実力は相当なものがあったと思います。よくよく彼女のことを調べると、2000年にアメリカの競泳選手が持っていた世界記録を塗り替えて、新記録を打ち立てるほどのトップスイマーでした。

結果的にはゴールドメダリストになったわけなので、スイマーとしては成功者ではあります。しかし一方で社交不安症によって水泳を辞めてしまう可能性もあっただけに、人生を左右しかねない心の病気の辛さを彼女自身も同じように感じていたのが伝わってくると思います。

イギリスを代表する俳優ローレンス・オリヴィエさん

もうお亡くなりになっていますが、彼はシェイクスピア俳優とも呼ばれ、『ヘンリー5世』や『ハムレット』の主役を演じ、また同時に監督としても才能を発揮し、1948年に製作した『ハムレット』で、アカデミー賞では史上初めてとなる監督賞と主演男優賞に同時にノミネートされるという快挙を成し遂げています。

その時は惜しくも監督賞の受賞は逃したものの、見事主演男優賞に輝き、作品自体も作品賞を受賞しています。

ちなみに『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ役を演じていたヴィヴィアン・リーさんの旦那さんでもありました。

そんな才能に溢れたオリヴィエさんですが、彼が社交不安症を発症したのは、体調が悪い日に舞台に上がった際、「セリフが出てこなかったらどうしよう」という不安に襲われてからでした。いわゆる予期不安による悪循環が彼を苦しめたのです。

特に社交不安症のなかでも視線恐怖に苦しみ、演技中は共演している俳優陣に対して自分の目をみないように訴えていたことが、彼の自伝に記されています。

名俳優と呼ばれる人が舞台というまさに人からの視線を浴びる場所で、社交不安症と闘っていたことを知ると、本人がどれだけ苦しく辛かったのかを感じられるのではないでしょうか。

元メジャーリーガーのドントレル・ウィリスさん

フロリダ・マーリンズで主に活躍し新人王や最多勝に輝くなど、マーリンズのエースと称されるほどの選手でした。20勝以上するシーズンもあったのでメジャー屈指のピッチャーと言っても過言ではないでしょう。

そんな彼もまた社交不安症に苦しんだ人でした。社交不安症によりチームから離脱することが度々ありましたが、それでも自分自身と向き合いながらピッチャーとして投げ続けました。

メジャーという大舞台でピッチャーというゲームの流れを作るポジションを任され、そして周りの視線を浴びるマウンドに身を置くというのは、私たちが想像する以上のプレッシャーだったと思います。

サイ・ヤング賞投手のザック・グレインキーさん

2009年にメジャー投手で最も栄誉あるサイ・ヤング賞を受賞する活躍を見せた選手で、オールスターにもこれまでに4回選出されているメジャーでも指折りの選手です。

ところがそんな活躍とは裏腹に、サイ・ヤング賞を受賞する2009年よりも前の2006年に、彼は社交不安症によって春季キャンプを離脱せざるを得ない状況に陥ってしまうのです。

彼のこれまでの投手キャリアを見ると分かりますが、毎年二桁登板で、前年は30試合以上も登板しながらも2006年にはたった3試合しか登板していません。

社交不安症が原因となって球界からドロップアウトしかけていたグレインキー投手ですが、その後は薬の服用とカウンセリングを受けるなどの治療によって見事復帰し、先述した活躍を遂げるまでになりました。

彼が病気を克服できたのは、もちろん本人の強い意志によるものが一番ですが、それに加えて、その当時所属していたロイヤルズが彼の復活を期待して辛抱強く待ってくれたことによるものも大きいと思います。

またメジャーに詳しい人なら分かると思いますが、その当時のロイヤルズは弱小球団で2002年から2006年までの5年間で4度もシーズン100敗を記録するほどのチームで、マスコミも取り立てて注目するほどでもありませんでした。そのようなマスコミの目を気にすることなく、自分のペースで徐々に回復できたというのも幸いしていると言えます。

歌手でもあり女優でもあるバーブラ・ストライサンドさん

歌手としては、日本でも松田聖子さんがカバーしている『追憶』が有名で、女優としては『ファニー・ガール』の作品でアカデミー主演女優賞に輝くなど、歌手としても女優としても素晴らしい功績を残しているバーブラ・ストライサンドさん。

アメリカの人気トーク番組で、コンサートのステージで歌詞がまったく思い出すことができず、歌うことができなくなってしまった経験から、それ以降30年間にわたり社交不安症とそれに伴う予期不安に苦しみ、闘病した過去を赤裸々に告白しています。

歌手という仕事柄、人前で歌うことが求められるのは当たり前で、知名度のある歌手ならば観客の数も桁違いになります。

彼女はコンサートに対する苦手意識が非常に強く、コンサートのステージに立てるまでに長い時間を要しています。その間は薬の服用とカウンセリングを受けるなどの治療を行い、治療が奏功して復帰を果たしています。

一般的な人よりも注目を浴びやすいだけに、そのような人たちと比べれば恐怖や不安の質が異なる可能性も否定できませんが、仕事に大きく影響してしまうことを考えると、社交不安症の症状というのは厄介だと言えます。

ノーベル賞作家のエルフリーデ・イェリネクさん

多くの人が初めて聞く方だと思いますが、イェリネクさんは2004年にノーベル文学賞を受賞している方です。

しかしそのノーベル賞の授賞式を社交不安症を理由に欠席してしまいます。ノーベル賞の授賞式ともなると世界中の視線が注がれるだけに、それに耐えられるような状況ではなかったということでしょう。

社交不安症は著しく社会参加に支障をきたす心の病気ですが、彼女のように一世一代の大舞台とも言えるノーベル賞の授賞式でさえも欠席してしまうケースがあると、社交不安症の辛さを強く感じることができるのではないでしょうか。

今回、社交不安障害を患っていた有名人として7名の方を紹介しました。

この方々以外にも、ハリーポッターシリーズの作者であるJ・K・ローリングさんや政治学者の姜 尚中さんが社交不安症であった可能性があると指摘する人もいますが、あくまでも可能性の域の話なので実際のところはどうなのか分かりかねます。

紹介した7名を見ると、肉体的にも精神的にも強さが求められるアスリート、観客に見られる機会が多い俳優や歌手など、一見すると社交不安症と無縁に思える人たちが実は心の病を抱えていたことを知ると意外に思う人も多いのではないでしょうか。

社交不安症を患うと日常生活でも支障をきたすことがあるのに、試合や舞台という大一番でということになると、想像を絶するほどの不安や恐怖と闘っていたことでしょう。

残念ながら社交不安症はそれほど認知されている病気ではありません。ここに挙げた有名人の方も自分からカミングアウトしなければ分からずじまいだったと思います。

しかしカミングアウトした結果、有名人も同じ症状で苦しんでいたという事実が当事者の支えになることがあります。そして自分だけが苦しんでいるわけではないという気持ちが一歩前に踏み出してみようという勇気に変わることもあります。

特に社交不安症の場合は周囲に話すことを躊躇する人も数多くいます。だからこそ社交不安症を経験した有名人というのは力強い存在に映るのではないかと思います。

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