不安障害を主なテーマに、その症状や原因、治療法などについて、当事者や家族だけではなく、不安障害そのものを知らない人に向けて正しい認識や理解を目指して情報を発信しています。

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社交不安障害の情報を正しく得るために出来ること

インターネットで情報を得る機会も増え、調べものはとりあえずスマホでという人も多いと思います。

特に若い世代の大半はスマホから情報を得るというのが当たり前になっていると思います。

先ごろ、医療情報の信憑性が問題視されたWELQ問題が発端となり、対応が求められていたインターネット上の医学・健康情報について、その取り扱いの方針が変更されたことはご存知でしょうか。

Googleは医療・健康に関する検索アルゴリズムを大幅にアップデートし、その結果、医療従事者や専門家、医療機関、学会などが提供している情報が上位に表示されるようになりました。

とは言うものの、完全に信頼性のある記事が上位に表示されるかというとそうではなく、複数の検索ワードを組み合わせることによって、まだまだ信憑性の低い情報が上位に表示されることもあります。

社交不安障害に関する情報も、この大幅なアップデートにより、医療関係者や専門家が提供する情報が上位に表示されるようになりました。

しかし、情報が簡単に手に入る世の中になったからこそ、その情報を安易に受け入れてしまい、「もしかしたら社交不安障害の症状かもしれない」と思い悩む人が、SNS上などで書き込むケースが増えているように感じます。

例えば、インターネット上にある簡易版の診断テストを受けて、全てに該当したから「私は社交不安障害です」といった類のものです。

もちろん、それが適切な治療に結びつけば良いのですが、不必要に不安を煽るような形になってしまうのも問題です。

そのようなケースが見受けられる中で、どのように情報を得て、利用していけばいいのかを考えていきたいと思います。

複数の情報源を活用する

そもそも社交不安障害自体がそれほど認知されている精神疾患ではありません。

試しに友人や家族に「社交不安障害」という名前を知っているか聞いてみてください。

きっとほとんどの人が「知らない」と答えると思います。

また残念なことに医療関係者の間でも、認知度が低い状況にあると言われています。この点に関しては、公的な機関が主体となって、医療関係者に対して周知徹底を図ってほしいと思います。

ところで、社交不安障害の症状が見受けられるのに適切な治療が施されていなかったり、性格と見間違えて症状を悪化させてしまったりするケースが往々にしてあります。

そのような状況の中で、早期に治療介入が行われるためには、正しい情報や知識を手に入れるということが何よりだと思います。

しかし冒頭から書いてある通り、インターネットの情報は良くも悪くも受け手にとって影響を及びします。

玉石混交のインターネットの世界ですから、自分にとって有益となる情報を探すには容易なことではないですよね。

そんな時、ひとつの方法として、社交不安障害に関する本を2、3冊読むことをオススメしたいです。

やはりひとつの情報源では、その情報の正しさについて判断するのは難しいと思います。

また注意として、その本にもよりますが、仮に専門家や医師の方が監修している本であっても、監修という形なので、内容の全てが100%そうとも言い切れません。単に、名前だけを貸している可能性も考えられます。

さらに付け加えると、編集者がいて校閲がしっかりしている出版社が出した本ではなく、自費出版の形で出している本や、誰でも自由に出版できる電子書籍では信頼性が乏しくなるので気をつけなければいけません。

できる限り複数冊読み合わせて、情報の正確性を高めていく必要があるでしょう。

どのような本を読んだらいいのかわからないという方は、こちらで社交不安障害の本についてまとめていますので参考にしてください。

病名に囚われ過ぎない

精神疾患の診断基準となる『DSM』が登場し、日本でも導入された結果、それまで病気と見なされてこなかった状態や特性が、病気として診断されることが増えてきました。

最近頻繁に聞かれる発達障害、パーソナリティ障害、そして社交不安障害も含まれる不安障害などはその代表例です。

そして社交不安障害に関して言えば、社交不安障害を病気と見なすか性格と見なすかで意見が分かれており、それぞれの意見に対して肯定的な見方と否定的な見方が存在しています。

社交不安障害を病気ではないと考える人の意見では、一般的な人が持つ性格の特徴との明確な違いがなく、誰もが感じる緊張や不安といったものを区別して病気として捉えるのが難しいから、人間の本質は急激に変化しないのに、社交不安障害と診断される数が急激に増えているから、などの意見があります。

実際、社交不安障害ということではなく、誰しもが感じることのある社交不安ということで、阿部(1985)の研究によれば、他者の視線を強く感じ気になってしまう割合は、15歳では50%、18歳では30%もあります。

その後は社会経験を積むことで、その割合が減っていき、40歳以降まで慢性的に社交不安が続くことは少ないと言われています。

社交不安障害の症状の中には、他者の視線に対して著しく恐怖を感じる視線恐怖というものがありますが、研究結果に基づけば、思春期の半数は社交不安障害ということになってしまいます。

しかし実際はそうではありません。生涯有病率(一生のうちに一度は病気にかかる人の割合)については各国で異なるものの、概ね10%以下だと言われています。日本では、磯部(2007)の研究によると2~5%程度と言われています。

もし仮に、思春期の半数を社交不安障害と見なして医療的な治療が行われることになれば、その分、医療費や薬剤費が膨れ上がります。

現に、薬剤費については社会保障費を圧迫している要因になっています。

一方で社交不安障害を病気と考える意見では、社交不安傾向を性格と考えてしまうと、それを変えるという発想が生まれにくくなってしまうから、過剰な不安による社会生活の困難さや生きづらさに対する問題を放棄することになるから、などの意見があります。

確かに、社交不安障害と診断を受けて適切な治療が行われることにより、人生を取り戻したという人がいるのは事実です。

だからこそ性格と一方的に考えてしまっては、そこから改善するきっかけを奪いかねないということになってしまいます。

このような形で、病気と考えるかそれとも性格と考えるかという意見は双方ともに、ある程度筋の通った内容になっているのです。

ただし病気云々以前に、病名に囚われ過ぎないということは重要になってくるのではないかと思います。

実際、社交不安障害の症状と呼ばれるものには、社交不安障害でなくても見られるものがあります。

「社交不安障害だから○○のような症状がある」というよりは、「○○の症状があることで、日常生活や社会参加が困難になっている」というように、症状によって生まれる問題を、どうしたら解消できるかを考えることも大切だと言えます。

もちろん医師から診断を受けて、社交不安障害ということで、診断名による対応の仕方というのも大切になってくると思います。

しかし病名に囚われ過ぎてしまい、別の問題が生じてしまっては元も子もありません。

誰でも診断基準や病気の治療法について簡単に知ることができる今の時代だからこそ、もう少し丁寧に、かつ多面的に症状を捉えることが求められると思います。

社交不安障害に限らず、精神疾患に関する情報で右往左往してしまうことは少なくありません。

特に現代人はインターネットの情報に頼りがちになっているため、結局は情報に溺れて正しい情報や知識を得ることが難しくなっている傾向にあります。

そうした状況に陥る可能性が十分にあるからこそ、複数の情報源をあたること、また病名に囚われ過ぎず、症状に着目して考える必要があるのではないかと思います。

社交不安障害に対する捉え方は人それぞれで、安易に否定することによって治療の機会を奪ってしまうのも問題ですし、一方で肯定し過ぎれば、過剰な治療に結びついて社会保障の問題にも繋がっていきます。

もちろんどちらの意見が正しくて間違っているというわけではないので、社交不安障害の診断に関して今後大きな変化がなければ、このまま病気と性格の間で平行線をたどると思われます。

とは言え、今ある情報の中で自分にとって有益となる情報を得るために、受け手の行動として出来る限りのことはしていく必要があるでしょう。

情報に踊らされない為にも、幅広い視点で、様々な角度から捉えていけたらいいなと思います。

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