不安障害を主なテーマに、その症状や原因、治療法などについて、当事者や家族だけではなく、不安障害そのものを知らない人に向けて正しい認識や理解を目指して情報を発信しています。

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日常生活に支障をきたす社交不安障害の辛さについて

不安障害のひとつである社交不安障害は、その根底に「他人から悪く思われるのではないか」、「自分が他人に対して悪い思いをさせているのではないか」という思いがあります。大半の社交不安障害の人は、人の評価に対してものすごく敏感です。

ただ程度の差はありますが、誰しもが人の評価は気になるものであり、また評価されるからこそ頑張れると思うのではないでしょうか。

ところが社交不安障害に見られる考え方では、その評価に対する捉え方自体がネガティブな方に傾きやすく、相手がそう思っていなくても、当事者は自然とそのような考え方に囚われてしまうのです。

さらにマイナス思考に支配されてしまうことで、恐怖や不安を目の前にした時に回避行動を取ってしまったり、その恐怖や不安が強すぎて身体症状が表れてしまったりして、日常生活に支障をきたしてしまうことがあるのです。

今回は、具体的にどのような症状が表れて、何に苦しんでいるのかをみていこうと思います。

社交不安障害の根底にある極めて強い恐怖や不安感情

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社交不安障害といっても症状やその辛さというのは様々で程度も異なります。

そこで『精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)』を参考に、社交不安障害に見られる症状というのを見ていくと、その大半が以下のようなことに苦しんでいます。

  • 他の人から視線を浴びたり、観察されたりすることに対して著しい恐怖や不安を感じる
  • 自分自身が恥をかいたり、相手から拒絶されたりすることに対して著しい恐怖や不安を感じる
  • 自分自身が汗をかいたり、震えたりする姿を相手に見せるのがすごく怖く感じる
  • 人と接する場面や人と食事をする場面などの社交的な場面において著しく恐怖や不安を感じる
  • 社交的な場面においてその恐怖や不安から強い回避行動が伴っていたり、無理をして耐え忍んでいる状態がある

社交不安障害には様々な恐怖があり、またその表れ方も様々なので、同じ社交不安障害当事者であっても抱える恐怖が違うということはよくあります。

ただそれらの根底には、上に記したような恐怖や不安感情があって、その恐怖や不安に伴う回避行動、身体に異常が表れているにも関わらず耐え忍んでいる状況が少なくとも長期間続いているのです。

もちろん回避行動が続くことで社会的、職業的に支障をきたすのは明白で、そのことでまた当事者が自責的な考え方に陥ってしまうのも社交不安障害ゆえの特徴でもあります。

社交不安障害には回避行動と辛い身体症状が伴う

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社交不安障害がどのような形で日常生活に支障をきたしていくのかということを考えると、カギとなるのは「回避行動」と、不安や恐怖を感じるような場面での、著しい「身体症状」と言えると思います。

ただ比較的回避行動が少なく、自分の欲求や目的を果たせることが多ければ、症状としてはそれほど重篤性は高くないと感じます。

また身体症状に関しても、自分の欲求や目的を阻害するほどの程度ではない場合は、そこまで深刻化していないと考えられます。

ところで先ほど社交不安障害に見られる症状を記しましたが、よく見ると、程度の差はあるものの、誰にでも当てはまるものでもあります。

例えば「恥をかくのではないか」という不安も、それが大好きな人の前だったり、慕われている後輩の前だったりしたら、そういう感情を抱くのは当たり前の反応だと思います。

また私たちは何かと周りの評価を気にしながら生きています。人によっては評価されるからこそ頑張るという人もいるでしょう。

ところが、ひとたび社交不安障害を発症してしまうと、その不安や恐怖が現実的な脅威とは釣り合わない、いくらなんでもそこまで気にするのかというレベルになってしまうのです。

例えば、今から1カ月後に人前でスピーチをしなければならなくなったとします。一般的な人であれば、スピーチ前日の夜に緊張したり、当日に緊張したりすることがあると思います。

ところが社交不安障害の場合であれば、そのスピーチまでの1カ月間まるまる緊張と不安に苦しむという場合が多いのです。

当然、その間の日常生活に対しても何かしらの支障をきたすことが多く、当日のスピーチを想像しすぎて異常な発汗、体の震え、慢性的な息苦しさや吐き気といった身体症状が続くこともあります。時には、身体が鉛のように重く硬直してしまい、何もできずに1日を終えてしまうケースもあるでしょう。

スピーチをすることで他人から何かしらの評価を受けますので、そのことに対して過度になりすぎてしまうと、こうした形で日常生活に支障をきたしてしまうのです。

先ほどから何度もキーワードのように登場している、「人から評価される」という点について、社交不安障害の人は自分を過度に否定的に見てしまう傾向にあったり、ネガティブ感情にとらわれたりすることが多いです。

そしてそうした思考に囚われているからこそ、人の評価が下るような場面、いわば人から注目される場面や人と接する機会を自ら回避して、自分の殻に閉じこもってしまうのです。

当事者としても心の中では「人と接することを楽しみたい」と期待しつつも、その反面、恐怖や不安という感情から身体的な症状が起こってしまい、それが引き金となって回避行動に繋がっていきます。

回避行動を取れば取るほど、人からの視線にも敏感になりますし、人から好意的な評価を受けるに値しない人間だと自分を卑下してしまうことになるため、結果的に悪循環に陥ってしまうのです。

だからこそ社交不安障害は人生の質を保つという意味でも治療が求められるのです。

誰にでも周りの人からどのように思われているのだろうと気にした経験があると思います。だからこそ身だしなみを気にしたり、目に見えない言動に注意を払ったりするものです。

また人から良い評価を受けるというのは気持ち的にもプラスになり、一方で悪い評価を受けるというのはマイナスの気持ちになってしまうことが多いです。

そして社交不安障害というのは、まさに人からどのように思われているのかということに対して過度に気にするあまり、日常生活に支障をきたしている心の病気なのです。

誰にでも身近にある「人の評価」ということが関係しているからこそ、周りから理解を得られにくい面もありますし、単なる気のせいという精神論で片付けられてしまうこともあります。

ただ当事者としては当事者なりに心の中で葛藤を繰り返し、自分の存在価値を自問自答しながら生きています。

当事者と周りのズレ、そのズレが大きければ大きいほど、この社交不安障害の本質を捉えることは難しいと感じます。また社交不安障害が改善していくにしても、その過程では周りの理解というのが必要不可欠になってきます。

社交不安障害に苦しむ人というのは、性格的に自分を必要以上に責めてしまう傾向もあります。だからこそ、そういう人を救い出す為にも、まずは社交不安障害の本質や根底にあるものを捉えてほしいと感じます。

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