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不安障害にもつながるアダルトチルドレンについて

「アダルトチルドレン」という言葉を聞いたことはありますか。

アメリカのソーシャルワーカーであるClaudia Blackが、家族システムや依存症の研究の中で、アルコール依存症の親のもとで育った人たちに共通した特徴があり、その人たちをACOA(Adult Children Of Alcoholicの略)と名づけたことが始まりで、今日では、機能不全家族のもとで育った人を表す言葉として定着しています。

よくある間違いですが、アダルトチルドレンという病名はなく、あくまでも本来の家族システムから逸脱してしまった姿なので、アダルトチルドレンそのものの概念について懐疑的な医者がいることも事実です。

とは言うものの、ここ最近の少子化を背景にした親子関係が以前よりも複雑化してきており、その中でも機能不全家族のもとで育ったアダルトチルドレンは、大人になっても精神的に不安定のままで、人生の様々な場面で辛い思いをしている現実があります。

またアダルトチルドレンに当てはまる人の中には、実際に精神疾患を抱えている人もいますし、パニック障害や社交不安障害といった不安障害を患っているケースもあります。

今回、アダルトチルドレンというのはどういうものなのかということを具体的に見つつ、その問題点について取り上げていこうと思います。

アダルトチルドレンと愛着障害

アダルトチルドレンと似た言葉に「愛着障害」という用語があります。

こちらは発達心理学や児童心理学、また「反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害」という診断名があるので医学分野で用いられることの多い言葉です。

愛着障害はアダルトチルドレンよりももっと幼い頃に見られる問題であり、概念的には、愛着形成の不全、それに伴う明らかな行動障害がセットになっています。

愛着障害の場合、目に見える虐待や育児放棄がなくても、愛着形成が必要な時期に、愛着の対象者となる親が不在になりがちになってしまうことで問題が起きてしまうことがあります。

特に母親との関係は重要で、生後半年から1歳半までの臨界期と呼ばれる期間が愛着形成に最も大切な時期ですが、この時期に母親と分離してしまうことで、後々、愛着障害に発展していく可能性が高いといわれています。

さらに臨界期を過ぎても油断はできず、子どもが2~3歳ぐらいになると、母親から離れることに対する不安が高まる時期なので、この期間に無理やり母親から離されるようなことがあると分離不安が強く残ってしまい、その後の子どもの行動に悪影響を及ぼしてしまいます。

一方で、アダルトチルドレンは機能不全家庭に育った人を指すので、もしかしたら母親との間で愛着形成は出来ていたけれど、母親が父親に暴力を振るわれていて家が落ち着ける環境ではなかったケース、両親が離婚して父親の方に引き取られてしまったケース、過干渉や過保護などの一方的な愛情もまた家庭の役割を損なう可能性に繋がります。

様々な要因がありますが、母親との関係だけではなく、父親、祖父母など一緒に住んでいる人との関係によって、子どもが子どもらしく成長できない環境で育ってしまうことでアダルトチルドレンが生まれてしまうのです。

なお、愛着障害については以下の記事で詳しくまとめていますので参照してください。

アダルトチルドレンの5つのタイプ

アダルトチルドレンには様々なタイプが存在しています。

どのような家庭環境で育ってきたかでタイプが異なり、どういった行動スタイルを取るかによって分けられています。

ではどのようなタイプがあるのか見てみましょう。

ヒーロータイプ

ヒーロータイプは一言で言えば、家族の期待を一身に背負う人です。

家族の期待を背負うことからもわかる通り、学校では成績優秀であったり、責任感が強く組織をまとめたりする機会も多く、しかしその一方で失敗やミスをした時の受け入れ方が激しく、自分を責め続けもっともっと努力しようとしたり、自分を追い詰めたり、オンとオフの切り替えが下手だったりします。

個人的見解ですが、不安障害のひとつでもある社交不安障害になりやすいタイプは、このヒーロータイプが多いように感じます。それは責任感も強く、親や周囲の期待に敏感であり、それでいて失敗した時に自分を責めてしまい自分の存在意義を感じられなくなってしまうからです。

また社交不安障害の場合、第一子や一人っ子に多いのではないかという見方もあり、このヒーロータイプというのは、第一子の子どもがなりやすいとも言われています。この点から考えても十分に相関関係があるのではないかと感じます。

スケープゴートタイプ

スケープゴートというのは身代わりや生贄を意味します。ここでは家族内の問題を顕著化させる役割を持つ人と言えます。

スケープゴートタイプに見られる行動としては、親や教師に反発するような態度をとったり、感情的になりやすく怒りに任せて他人を攻撃したりすることが多いです。そしてそのような行動で自分の主張や存在を認めようとさせます。

またこのタイプは、ほんの些細なことで周囲との亀裂を生んだり、自暴自棄になり自分なんてどうでもいいと思ってしまうこともあるので、本当の自分を理解してくれる人なんて存在しないのではと猜疑心を常に持っています。

なりやすさでいうと第二子の子どもが多いと言われています。それはお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる分、自分の存在が薄くなり自分に注目がいくような行動や振る舞いをとる傾向にあるからです。

ロスチャイルドタイプ

ロスチャイルドを直訳すれば消えた子どもとなりますが、意味合いとしては存在感を無くしながら生きてきた人を指します。

存在感を無くしながら生きてきたということなので、家庭内でも学校でもあまり目立つような行動をせず、また大勢で何かするというよりも1人で黙々とやることが多いのが特徴です。

そしてこのタイプは親からは際立って褒められることもなければ怒られもしない、見方を変えれば、親にとってはあまり手のかからない子どもに映ります。しかしそのような環境で育ってきたからこそ、自分の存在感に疑問を持ち、いつも自分なんていなくてもいいと感じてしまうこともあります。

ひいては大人になっても、絶えず自己肯定感を持てずに自分の生きる理由を探し続けている可能性もあります。また愛情の欲しさに過剰な依存に走ってしまい人生を棒に振ってしまうこともありえます

このロスチャイルドタイプは、上と下に挟まれた子どもがなりやすいとされています。長男や長女は初めての子どもだから期待も大きく、一方で末っ子は目が離せないなどの理由から、どうしても真ん中の子は放置されやすくなります。

クラウンタイプ

クラウンというのは道化師を意味しますが、本当の姿を見せず仮の姿で周りに接してきた人がこのタイプと言えます。

そのため特徴としては、自分の不安や弱さを相手に悟られないように努めたり、その場の気まずい雰囲気を即座に察し、冗談やおどけた仕草で周囲を和やかにしたりします。

しかしその一方で、そういう行動や態度は仮の姿であることから、本当の自分をさらけ出せずにいたり絶えず周りを気にしなければいけない為に気苦労が多かったりすることがあります。

クラウンタイプはは末っ子の子どもがなりやすいと言われています。それは家庭内において立場が一番下ということで両親の怒りの矛先が向けられやすいといえるからです。だからこそ、自己防衛のためにも相手に弱さを悟られないように振る舞ったり本当の自分を見せなかったり、そのような行動に繋がっていくのです。

ケアテイカータイプ

ケアテイカータイプというのは親の代わりとなって世話をする人に多くみられるタイプです。

特徴としては困っている人がいると放っとけない、自分よりも他人を優先する。また相手が何を望んでいるのかを常に心がけてきたために、相手の表情やしぐさに敏感に反応しやすい傾向にあります。

ところがその一方で自己犠牲の精神が強く、また自己主張しづらいこともあり、他人から頼まれると無下に断ることができず、結局はすべての不幸を自分が抱え込んでしまうこともあります。

職業選択的に見ても、このタイプは自分を犠牲にして誰かのために働いたり支援したりする仕事、例えば看護師や介護士、教師などの仕事を選択する傾向があります。

ただ気をつけなければいけないのが、自己犠牲をして限界まで仕事をすると過労で体調を崩したり燃え尽き症候群になったりしてしまいます。頼まれると断れないタイプなので自分を見失わないよう自分の気持ちに正直でないといけません。

ケアテイカータイプはお母さん役になれる人ということで、第一子の女の子、つまり長女がなりやすいと言われています。家庭内に問題があると母親が本来の母親の役目を果たすことができない可能性をはらんでおり、そのため必然的に私がしっかりしないとという思いから長女が世話役になるのです。

今回はアダルトチルドレンの特徴として、またそのタイプについて簡潔にまとめてみました。もしかしたら当てはまる内容があったという人もいることでしょう。

アダルトチルドレン自体は病気ではないものの、何かしらの生きづらさを感じていたり、あるいはアダルトチルドレンの人が精神疾患を持っていたりする可能性は十分にあります。

子どもが小さい頃から何かしらの理由で、「周りに気を遣わなければいけない」、「いい子を演じなければいけない」など、そうした状況を無意識的に強いられてしまう家庭は、機能不全家族の可能性が高くなります。

両親がエリート街道を歩んでいて子どもにもそれを期待しているケース、子どもを心配しすぎるあまり過保護や過干渉になるケース、未婚のシングルマザーで子どもが親の苦労を目の当たりにしているケース、望まない妊娠で出来た子どもを邪魔者扱いし虐待するケースなどはその典型例です。

昨今、核家族が進んで子育てできる環境が整わなかったり、あるいは昔の価値観による教育で今の世相とは合わない教育をさせたり、ごくごく普通の家庭だった家族もほんの些細なことがきっかけで機能不全家族になってしまうことは十分にあると思います。

結果的にアダルトチルドレンになってしまった場合、いつまでも満たされない心の傷を大人になっても抱え、それが依存という形でアルコール、ギャンブル、ショッピング、セックスなどと結びついてしまうと、人生そのものを台無しにしてしまう可能性もあります。

自分の家庭では普通だと思っていても客観的に見て、ちょっとこれは異常ではないだろうかと思うことがあれば、アダルトチルドレンについて専門家に聞くなり、自分で調べるなりしてもいいと思います。

今の自分の気持ちが本当の自分の気持ちと合致しているのかどうか、もしかしたら今の人生を偽って生きているのではないだろうか、過去の生まれ育った環境、現在の環境、色々な出来事と関連付けながら自分の人生を主体的に歩めているのか、この機会に確認してほしいと思います。

その参考としてこの記事が役に立てば幸いです。

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