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HSPって何ですか!?敏感で繊細、高い感受性を持つ人たちについて

世の中には自分の身の回りの雰囲気や空気感、光や音、温度などの刺激に対して敏感に反応する人がいます。

物事に対して敏感に反応するため、「感受性が強い」と言えることができますが、それが過剰すぎるほど働いてしまうのであれば、もしかしたらHighly Sensitive Personと呼ばれる人たちに含まれるかもしれません。

HSP(Highly Sensitive Personの略称)という言葉は、アメリカの心理学者Elaine N. Aronが生みだした言葉で、日本語に訳せば「とても敏感な人」となります。

HSPの人がどのくらい存在するかというと、日本ではだいたい5人に1人が持っていると言われています。30人学級ならクラスの6人前後はHSP気質を持っている計算になります。

しかし逆を言えば、残りの5人に4人は非HSPなので、HSPの人が非HSPの人に対して説明するのは難しいことなのかもしれないと感じています。

また同様に、自分自身がHSPなのにHSPという言葉自体を知らない人もいるので、まだまだHSPのことについて知られていないのが現状だと思います。

HSPとは一体何か、どういう特徴を持っているのか、具体的に見ていこうと思います。

HSPとは何か

HSPは「とても敏感な人」と説明できますが、「どのくらい敏感なのか」という敏感さの強弱については人それぞれなところがあるので、具体的な事例を知ると理解しやすいのではないかと思います。

まずはじめに自身がHSP気質を持っているかどうか、HSPという言葉を作ったElaine N. Aronが作成した自己テストをためしてください。

HSPを判断するための自己テスト

Elaine N. Aronによると以下の項目に当てはまるほどHSP気質の傾向にありHSPの可能性が高いと言われています。

以下の質問に回答してください

    • 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
    • 他人の気分に左右される
    • 痛みにとても敏感である
    • 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
    • カフェインに敏感に反応する
    • 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
    • 豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい
    • 雑音に悩まされやすい
    • 美術や音楽に深く心動かされる
    • とても良心的である
    • すぐにびっくりする(仰天する)
    • 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
    • 人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調整したり、席を替えるなど)
    • 一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
    • ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
    • 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
    • あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
    • 空腹になると、集中できないと気分が悪くなるといった強い反応が起こる
    • 生活に変化があると混乱する
    • デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
    • 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
    • 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
    • 子どものころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた

-Elaine N. Aron著 冨田香里訳『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』より引用-

皆さんはいくつ当てはまりましたか。

当てはまるものが多ければHSP気質を持っていることになりますが、仮に当てはまるものが少なくても、その度合いが極めて強い場合はHSP気質を保持しているとElaine N. Aronはおっしゃっています。

ただ先に言っておくと、HSP気質は病気ではなく特性であり個性のひとつです。HSP気質を上手に活用して活躍している人もいれば、逆に苦しんで生きづらさを感じている人もいます。

私自身もHSP気質ですが、私のこれまでの経験から見てもHSPというのは周りから理解されてないことのほうが多く、「臆病な人」、「ノミの心臓」、「ガラスのハート」、「打たれ弱い」といったネガティブな言葉で片付けられてしまい、HSPが持つ良い面に気付かず自己肯定感や自己評価が低いまま育ってしまう場合が多いです。

また「敏感さ」や「繊細さ」が高じて、社交不安障害といった不安障害に発展する可能性が十分にあると言えます。事実、2014年に発表されたElaine N. Aronの研究で、嬉しそうにしている人の顔写真と悲しそうにしている顔写真を被験者に見せたところ、共感を司る領域というのがHSP気質の人が活発に働いていたことが確認されており、社交不安障害と類似する脳機能が示されています。

ただHSP気質を持っているからといって不安障害になるわけではなく、あくまでも発症因子のひとつとしてHSP気質が関与していると捉えたほうがいいでしょう。

HSPの主な特徴

HSPの特徴について、主なものとして以下のような特徴が見受けられます。

  • 自分の外の世界に対して注意深くなる
  • 感情的な反応が強く、共感力が高い
  • ほんの些細な刺激に対しても察知する
  • 物事に対する深い洞察力がある
  • 慎重さ、正確さ、小さな違いを見つける作業が得意
  • 自分についてあれこれ考えることが多い
自分の外の世界に対して注意深くなる

一度にあらゆる刺激を受け取るので、その分、注意深くなります。また危機管理能力もあり行動も慎重なので、何か新しい状況や環境に踏み入れるときには、とりあえず行動に移すのではなく緻密にあれこれ考えるのが特徴的です。

しかし、この能力は危険に遭遇する確率を低くする一方で、うじうじといつまでも考え込んでしまって行動が遅くなってしまう欠点もあります。

「石橋を叩いて渡る」ということわざがありますが、叩きすぎて足元を崩してしまう可能性があるので、注意に対するオンオフの切り替えが求められます。

感情的な反応が強く、共感力が高い

HSP気質を持つ人はそうでない人と比べて、ミラーニューロンシステムを含む共感を司る脳領域が活発に働いていることが確認されています。

ミラーニューロンシステムというのは、まるで鏡に映したかのように相手の感情を自分の感情のように捉える反応を示す脳機能システムと言われているものです。

ミラーニューロンシステムが活発に働くことで相手の感情に対して深い共感を示し、自分が相手の体験をしていないにもかかわらず、あたかも自分が体験したかのように感じ、その際生じる気持ちも含めて同調してしまう傾向にあります。

そのためHSP気質を持つ人はポジティブなことにはよりポジティブに、ネガティブなことにはよりネガティブに、感情的な反応が著しいのです。

ほんの些細な刺激に対しても察知する

HSP気質を持つ人は音や光、温度など外からの刺激に対する感受性が非常に高く、他の人が気にしない音でも気になってしまったり、匂いもほんのわずかな香りにさえ反応したりします。

過剰すぎる刺激から身体が疲れきってしまうこともあり、静かな空間や騒音が少ない自然豊かな場所を好みます。

物事に対する深い洞察力がある

HSP気質の人は、ひとつの物事に対して一方向の視点で見るのではなく、多面的な視点から捉えることができます。

ひとつの物事を判断するのに、どうしてもじっくり考える必要があるので時間がかかり即決するのが難しいですが、その代わりに独創的なアイデアを閃くことができます。

HSP気質を持つ人に芸術家や思想家が多いのはそうした背景があるからなのです。

慎重さ、正確さ、小さな違いを見つける作業が得意

HSP気質を持つ人は些細な変化を感じやすく、その分、他の人よりも小さな違いを見つけやすいです。

また行動スタイルが基本的に慎重さを伴ったもので、ひとつひとつの作業が丁寧かつ正確性を求めるものであればあるほど向いています。

しかしその反面、即断即決でスピーディーが求められる作業では、HSP気質が邪魔をしてしまうので向いていません。

HSPの人は「炭鉱のカナリア」に喩えられることが多いですが、未開拓地を切り開いていくフロンティア精神を持った人の右腕として、開拓中の見落とされている所々を補う役割として活躍できる人材だと言えます。

自分についてあれこれ考えることが多い

自分について深く考える人もいればそうでない人もいますが、HSP気質を持っている人は自分についてあれこれ考えることが多いのも特徴です。

これは想像力に富んでいるということに関係しており、自分で様々な状況を想像して自分のことを把握しやすいからです。

そのためHSP気質の人は自分で自分のことを良くわかっているところがあります。ところが自分のことが分かっていながらも周囲に合わせてしまうことが多く、本来の自分をさらけ出せていない状態に陥っているケースが少なくありません。

HSPが生きやすくするためには

HSP気質を持つ人は、どうしても外部からの色々な刺激に対して敏感に反応してしまうため、他人よりもストレスを抱えやすく疲れやすいのも事実です。

そういった中、自分が一体に何に対して敏感に反応するのか、感受性が強まるものに対して自分なりの対処法があれば日常生活において支障をきたさない程度までもっていけるのではないかと思います。

また敏感に反応したとしても、その後の自分を回復させるものを知っていれば疲れを引きずらずに済むでしょう。例えば、明るい光、強い臭い、大きな音に対して敏感に反応してしまうのであれば、自然が多く静かな環境に身を置くというのも一つの方法です。

HSP気質を持つ人の生き方を見ると周りから「繊細な人」、「神経質な人」という見方をされてきたと思います。そしてそのことがきっかけで自分に自信が持てなかったということもあるでしょう。

しかしHSPはひとつの個性であり、上手に活用できれば唯一無二の武器にもなります。そういったことを保有者自身が認識して、その特性を十分に発揮できる機会や場所は何かを考えていくことが求められるのではないかと思います。

今回、HSPという言葉を初めて聞いた人向けにHSPについて色々と述べてきました。

心理学者のカール・ユングは、内向的な人たちが自らの価値を過小評価し、また彼らの生き方について当時の西洋社会では偏見の目で見られていることを指摘していました。

現代社会においてもコミュニケーション能力が問われる今、HSPという特性は正直なところ生きづらさを生んでいる要因のひとつになっていると思います。そして時には他者との関わりを断ってしまい、ひきこもりになっているケースも少なくはありません。

HSPは無意識のうちに外部からの刺激を過剰に自分の中に取り入れてしまい、そのことがマイナスの方に働いてしまうことで「臆病な人」、「ノミの心臓」、「ガラスのハート」、「打たれ弱い」といった形で周りから見られてしまいます。

しかしHSPと一言にいっても何に対して敏感に反応しどういった状態になってしまうのかは人それぞれです。

だからこそ周りにいる人はHSP気質というものを理解できないことが多いのかもしれませんが、HSPという特性を活かせる場所に身を置くことで誰かの役に立てることもあるのですから、この機会にHSPと呼ばれる人が世の中にはいることを知ってもらえたら嬉しいです。

参考文献

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